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AI Agentの「Harness」とは何か

エージェント・データ基盤 AIモデル・知能 考察・仮説

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本文に含まれる語句 AI推論 AIエージェント

この資料を根拠にした分析カード(試験中): Agentの成果を外部状態で確かめ、構成の寄与を分ける

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データセットの版
2026.10.01.2
記事内容のSHA-256
56b8df82fb5c2aeaad003da52d4d61f78c4b4ede7ea5fefad0d52c16a68aa49c
保存版のSHA-256
5230556577d816e70f77e45856a8e0606a32176ea21f9bfc954362c292f0b3be

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#
AI Agentの「Harness」とは何かの見出し画像
AI Agentの「Harness」とは何か|note見出し画像

AI Agentの「Harness」とは何か

#

モデルの外側で知能を作る仕組みは、やがてAgentic OSへ向かうのか

#

2026年9月26日時点の研究・公開実装をもとに整理しています。

#

AIの性能について語るとき、これまでは「どのモデルが一番賢いか」が中心でした。

#

しかしAI Agentが実際にコードを書き、ブラウザを操作し、研究を行い、3Dソフトを使い、何時間・何日も仕事を続けるようになると、モデルそのものだけでは性能を説明できなくなります。

#

同じモデルでも、ある環境では驚くほど仕事が進み、別の環境では何度も同じファイルを読み直し、Subagentを大量に起動し、利用枠を急速に消費することがあります。

#

この違いを生む中心にあるのが、Harness(ハーネス)です。

#

OpenAIは現在、Harnessを「モデルとツールの実行ループを処理し、AgentのSessionを維持するもの」と説明しています。AnthropicもHarnessを、Claudeを呼び出してTool Callを適切な実行環境へ振り分けるループとして扱っています。(OpenAI Developers)

#

ただし、現在のHarnessは単なる「LLMをToolにつなぐコード」ではありません。

#

Memory、Skill、Environment、Sandbox、Subagent、Context圧縮、Verifier、Model routingまで含むようになり、徐々に小さなOperating Systemに近づいています。

#

この記事では、その仕組みを一番基本から見ていきます。

#

1.そもそもAI Agentとは何か

#

まずChat型AIとAgentを分けます。

#

普通のChat AIは、おおむね

#

質問  ↓ Model  ↓ 回答

#

です。

#

一方Agentは、

#

目標  ↓ 考える  ↓ 行動する  ↓ 外部世界から結果を受け取る  ↓ 考え直す  ↓ 次の行動    ↺

#

というループを持ちます。

#

例えば、

#
「このGitHubリポジトリのバグを直して」
#

と言われた場合、

#
Issueを読む  
↓  
コード検索  
↓  
ファイルを読む  
↓  
仮説を立てる  
↓  
コード編集  
↓  
テスト実行  
↓  
失敗  
↓  
原因調査  
↓  
再編集  
↓  
テスト成功
#

まで動くのがAgentです。

#

この「モデルを何度も呼びながら、外部環境で仕事を進める部分」がHarnessの原型です。

#

2.Harnessという言葉

#

Harnessという英単語には、本来「馬具」「制御するための装具」という意味があります。

#

Software Engineeringでは昔からTest Harness(テストを自動実行する仕組み)のように使われていました。

#

LLM AgentにおけるHarnessは、

#
モデルを仕事のできるAgentとして動かすための外側の制御システム
#

と考えると分かりやすいです。

#

概念的には、

#
Agent=Model+Harness+Environment\text{Agent}=\text{Model}+\text{Harness}+\text{Environment}
#

です。

#

Modelが「頭脳」なら、

#

Harnessは「神経・仕事の進め方・管理機構」、

#

Environmentは「実際に仕事をする場所」です。

#

3.まず覚えておきたい基本用語

#

この記事では多くの専門用語が登場します。

#

最初に関係を整理すると、かなり理解しやすくなります。

#
用語日本語で噛み砕くとModelAIの頭脳そのものAgent目標に向かって行動を続けるAIHarnessAgentを実際に働かせる制御システムEnvironmentAgentが仕事を行う場所ToolAgentが使える道具ActionToolなどを使って行う1回の行動ObservationAction後に世界から返ってくる結果Context今Modelが頭の中に置いている情報MemoryContext外にも保存される過去の経験Skill「この仕事はこうやる」という再利用可能な手順SubagentMain Agentから仕事を任される別AgentOrchestration複数AgentやToolをどう編成するかSandboxAgentを安全に動かす隔離環境Verifier本当に仕事が成功したか確認する仕組みTrajectoryAgentが辿った行動・観察・結果の履歴Compaction長すぎるContextを圧縮する処理Session長時間続くAgentの作業単位ACIAI Agent向けに設計されたComputer Interface\begin{array}{|l|l|}\text{用語}&\text{日本語で噛み砕くと}\cr\hline\text{Model}&\text{AIの頭脳そのもの}\cr\hline\text{Agent}&\text{目標に向かって行動を続けるAI}\cr\hline\text{Harness}&\text{Agentを実際に働かせる制御システム}\cr\hline\text{Environment}&\text{Agentが仕事を行う場所}\cr\hline\text{Tool}&\text{Agentが使える道具}\cr\hline\text{Action}&\text{Toolなどを使って行う1回の行動}\cr\hline\text{Observation}&\text{Action後に世界から返ってくる結果}\cr\hline\text{Context}&\text{今Modelが頭の中に置いている情報}\cr\hline\text{Memory}&\text{Context外にも保存される過去の経験}\cr\hline\text{Skill}&\text{「この仕事はこうやる」という再利用可能な手順}\cr\hline\text{Subagent}&\text{Main Agentから仕事を任される別Agent}\cr\hline\text{Orchestration}&\text{複数AgentやToolをどう編成するか}\cr\hline\text{Sandbox}&\text{Agentを安全に動かす隔離環境}\cr\hline\text{Verifier}&\text{本当に仕事が成功したか確認する仕組み}\cr\hline\text{Trajectory}&\text{Agentが辿った行動・観察・結果の履歴}\cr\hline\text{Compaction}&\text{長すぎるContextを圧縮する処理}\cr\hline\text{Session}&\text{長時間続くAgentの作業単位}\cr\hline\text{ACI}&\text{AI Agent向けに設計されたComputer Interface}\cr\hline\end{array}
#

この各要素をどう設計するかによって、同じModelでも性能が大きく変わります。

#

4.最小のHarnessは驚くほど単純

#

極端な例ならHarnessは100行も必要ありません。

#

擬似コードでは、

#

history =

tasktask

#

while True:   response = model(history, tools)

#

if response.finished:     break

#
action=response.tool_callaction = response.tool\_call
#

observation = execute(action)

#

history.append(response)   history.append(observation)

#

だけでもAgentになります。

#

内部では、

#

Model  ↓ Action  ↓ Environment  ↓ Observation  ↓ Model  ↺

#

を繰り返しています。

#

実際、現在のmini-SWE-agentはAgent classを約100行規模まで単純化し、ほぼBashだけをToolとして使いながら、SWE-bench Verifiedで74%超を報告しています。開発チーム自身も、2024年のSWE-agentでは特殊なToolやInterfaceを重視していたが、Modelが強くなった結果、より単純なHarnessでも高い性能が出るようになったと説明しています。(GitHub)

#

これは非常に重要です。

#

Harnessは複雑なら強い、というものではありません。

#

5.現代的なHarnessはいつ生まれたのか

#

現在のHarnessが一つの論文から突然生まれたわけではありません。

#

複数の研究が段階的に積み重なっています。

#

2022年:MRKL

#

2022年5月のMRKL Systemsは、大規模言語モデルだけですべてを解こうとせず、

#
LLM + 外部Knowledge + 専用Reasoning Module
#

を組み合わせる「Systems approach」を提示しました。(arXiv)

#

つまり、

#

LLMだけ

#

ではなく、

#

LLM + Calculator + Search + Database + その他Module

#

という考え方です。

#

現在のTool-using Agentの思想にかなり近いものです。

#

6.2022年:ReActが大きな転機になる

#

Harnessの歴史で最も重要な転機の一つがReActです。

#

ReActは、

#

Reasoning + Acting

#

の略です。

#

それ以前は、

#
考える  
↓  
回答
#

と、

#

環境で行動する

#

が別々に研究されることが多かった。

#

ReActでは、

#
Thought  
↓  
Action  
↓  
Observation  
↓  
Thought  
↓  
Action  
...
#

を一つのループにしました。

#

ALFWorldとWebShopでは、当時の模倣学習・RL系手法に対して絶対成功率でそれぞれ34ポイント、10ポイント改善しています。(arXiv)

#

現在のCoding Agent、Browser Agent、Research Agentのほとんどは、形を変えながらもこの基本構造を持っています。

#

7.2023年:Toolを「いつ使うか」を学ぶ

#

Toolformerでは、

#
どのAPIを いつ呼び どんな引数を渡し 結果をどう利用するか
#

をModel自身に学習させました。(arXiv)

#

これは現在のTool Useへ直接つながります。

#

AgentにCalculatorを渡すだけでは足りません。

#

Agentは、

#
「ここでは自分で計算せずCalculatorを使うべきだ」
#

と判断できる必要があります。

#

つまりHarnessとModelの境界にも学習対象が生まれたわけです。

#

8.2023年:Memoryが入ってくる

#

ReflexionではModel Weightを変更せず、

#
失敗  
↓  
なぜ失敗したか文章でReflection  
↓  
Memoryへ保存  
↓  
次回Contextへ戻す
#

ことでAgentを改善しました。(arXiv)

#

これは**Verbal Reinforcement Learning(言葉による強化学習)**と呼ばれました。

#

Weightは、

#
Wt+1=WtW_{t+1}=W_t
#

のままです。

#

しかしMemoryが、

#
Mt+1=Mt+experienceM_{t+1}=M_t+\text{experience}
#

になるので、行動が改善します。

#

つまり、

#
Weightを変えなくてもAgentは経験から学べる
#

ことが明確になりました。

#

9.Generative Agentsと長期Memory

#

Generative Agentsでは、Agentの経験を**Memory Stream(記憶の流れ)**として保存し、

#
Experience  
↓  
Memory  
↓  
Reflection  
↓  
Planning
#

に利用しました。

#

25体のAgentを仮想的な街で生活させ、過去の出来事を記憶し、反省し、計画に利用するarchitectureを示しました。(DOI)

#

現在のPersonal Agentの長期Memory設計の祖先の一つと考えられます。

#

10.VoyagerとSkill Library

#

2023年のVoyagerはさらに重要です。

#

Minecraft内で、

#
  • Automatic Curriculum:自動的に次の課題を作る
  • Skill Library:成功した行動を実行可能なSkillとして保存
  • Iterative Prompting:実行結果・Error・自己検証をもとに改善
#

を組み合わせました。

#

WeightをFine-tuneせず、Skillを増やすだけで継続的に能力を伸ばしています。従来手法より3.3倍多くunique itemを獲得し、一部の技術進行では最大15.3倍速く到達しました。(arXiv)

#

現在の、

#
skills/  
├ deploy  
├ research  
├ blender  
└ coding
#

という発想の非常に分かりやすい先祖です。

#

11.Multi-Agentへ

#

2023年のAutoGenでは、複数のAgentが会話しながら仕事をするframeworkが体系化されました。

#

例えば、

#

Planner  ↓ Coder  ↓ Reviewer  ↓ Tester

#

です。

#

Human、LLM、ToolをそれぞれAgentとして組み合わせられるarchitectureを提示しました。(arXiv)

#

ここからHarnessは、

#
一つのAgent loop
#

だけでなく、

#
Agent組織のOrchestration
#

を管理するようになります。

#

12.2024年:EnvironmentとInterfaceが主役になる

#

2024年のSWE-agentは重要な問いを提示しました。

#
「Agentに人間向けComputer Interfaceをそのまま使わせるのが最適なのか?」
#

です。

#

そこで提案されたのが、

#

ACI:Agent-Computer Interface

#

です。

#

日本語なら、

#
AI Agent向けコンピューター操作インターフェース
#

です。

#

SWE-agentは、Language Modelを新しい種類のComputer Userと考え、Modelに使いやすいFile編集・Repository移動・Test実行Interfaceを設計しました。SWE-benchでpass@1 12.5%を達成し、Interface設計がAgent性能へ直接影響することを示しました。(arXiv)

#

13.Environmentとは何なのか

#

Environmentを単なる「アプリ」と考えると狭すぎます。

#

例えばCoding Agentなら、

#

Git Repository Filesystem Compiler Tests Shell Dependencies Network

#

全部がEnvironmentです。

#

Blender Agentなら、

#

Scene Objects Meshes Materials Nodes Camera Timeline Python API GUI Renderer

#

まで含みます。

#

数学的には、

#
Environment=(State,Actions,Observations,Dynamics,Permissions)\text{Environment}=(\text{State},\text{Actions},\text{Observations},\text{Dynamics},\text{Permissions})
#

くらいに考えられます。

#

つまり、

#
Agentが存在し、観察し、行動できる「世界」
#

です。

#

14.Action Spaceをどう設計するか

#

Agentが可能な行動の集合を**Action Space(行動空間)**と言います。

#

例えば、

#

mouse_move click keypress scroll

#

だけでBlenderを操作させることもできます。

#

しかし机を作るだけで100回以上Actionが必要になるかもしれません。

#

一方、

#

create_mesh() set_material() render()

#

のような高level Toolがあれば数回で済みます。

#

ここで理想なのは、

#
∣A∣↓\lvert\mathcal{A}\rvert\downarrow
#

つまり不要な選択肢を減らしながら、

#
Meaningful Work / Action↑\text{Meaningful Work / Action}\uparrow
#

させることです。

#

Actionの種類は少なく、1回のActionが意味の大きい処理をする。

#

これが良いACIの一つの条件です。

#

15.Environment研究を進めたBenchmark

#

OSWorldはUbuntu、Windows、macOS上の実Softwareを使う369のComputer Taskを構築しました。

#

初期評価では人間が72.36%以上成功した一方、最良Agentは12.24%にとどまり、GUI groundingと操作知識が大きな課題でした。(arXiv)

#

AppWorldは9つのアプリ、457 API、750 taskから成る仮想世界を作り、単純なAPI Callではなく複数Applicationを跨いだ仕事を評価しました。GPT-4oでも通常task約49%、challenge約30%でした。(arXiv)

#

τ-benchでは最終Database Stateまで検証し、当時のGPT-4oでも成功率50%未満、retailでpass^8が25%未満でした。(arXiv)

#

つまりBenchmarkも、

#
「正しい文章を書いたか」
#

から、

#
「現実の世界を正しい状態へ変えられたか」
#

を見るようになっています。

#

16.ところが「複雑なHarnessほど強い」とは限らない

#

Agentlessは2024年、

#
本当に複雑なautonomous Agentが必要なのか
#

と問い直しました。

#

Localization → Repair → Validationという単純な3段階だけで、当時のSWE-bench Liteで32%成功、平均$0.70という結果を報告しました。(arXiv)

#

さらに現在のmini-SWE-agentは、ほぼBashだけという非常に小さな構造で高い性能を出しています。(GitHub)

#

ここから重要な原則が出てきます。

#
Complexity of Harness≠Quality\boxed{\text{Complexity of Harness}\neq\text{Quality}}
#

Harnessとは機能を増やす競争ではありません。

#
Modelが自分でできることと、Runtime側で固定すべきことの境界を探す仕事
#

です。

#

17.Harnessの主要構成

#

現在の高度なHarnessは、おおむね次の層を持っています。

#

User Goal   ↓ Task / Intent Analysis   ↓ Context Builder   ↓ Model Router   ↓ Model   ↓ Planner / Orchestrator   ↓ Tool Router   ↓ Permission / Sandbox   ↓ Environment   ↓ Observation   ↓ Verifier   ↓ Memory / Skill / State   ↓ 次のModel Call

#

特に重要なのは、

#

Context、Tool、Environment、Memory、Verification

#

です。

#

18.Harnessはどう作るのか

#

0から作るなら、最初からMulti-Agentを作る必要はありません。

#

合理的な順序は次のようになります。

#
  1. Environmentを決める。 CodingならRepo+Shell+Test、WebならBrowser、3DならBlenderなど。
  2. Actionを少なくする。 最初はBash一つでも構わない。
  3. ReAct Loopを作る。 Model → Action → Observationだけ。
  4. Raw Trajectoryを全部保存する。 Prompt、Tool Call、Error、Diff、Test resultを残す。
  5. Verifierを作る。 Agent自身の「完成しました」を信用せず、Testやworld stateで確認する。
  6. SandboxとPermissionを入れる。
  7. 長時間化して初めてCompaction・Memoryを入れる。
  8. 本当に必要になってからSubagentを追加する。
  9. 失敗Traceを見てACIを改善する。
  10. 最後にRLや自動Routingを導入する。
#

Anthropicも実運用経験から、HarnessにはModelができないことについての仮定が埋め込まれるため、その仮定はModelが進化すると古くなると指摘しています。Opus 4.5では、それ以前のModel向けに必要だったContext Resetが不要になった例も紹介されています。(Anthropic)

#

19.Skillsとは何か

#

Skillsは、

#
「この仕事をどうやるか」を再利用可能にした仕事の型
#

です。

#

AnthropicのAgent Skillsでは、SkillはSKILL.mdを中心としたFolderで、Instructions、Scripts、Resourcesなどをまとめられます。起動時にはSkillの名前とDescriptionだけを読み、必要になったときに詳細をContextへ展開する**Progressive Disclosure(段階的開示)**を採用しています。(Anthropic)

#

例えば、

#
Blender Skill  
├ SKILL.md  
├ mesh\_validate.py  
├ material\_setup.py  
├ render\_check.py  
└ examples/
#

です。

#

Toolが「手」なら、

#

Skillは手の使い方です。

#

20.MemoryとSkillは違う

#

Memoryは、

#
「過去に何が起きたか」
#

です。

#

Skillは、

#
「そこから一般化した、次回のやり方」
#

です。

#

例えば、

#

Memory: 前回Bevel前にScaleをApplyしなかったため壊れた

#

から、

#

Skill: Bevel前にTransform Scaleを検査し、 必要ならApplyする

#

へ抽象化できます。

#

21.問題は「要約すると情報を捨てる」こと

#

ここから最新研究へつながります。

#

従来のAgentはTask終了時に、

#
大量Trajectory  
↓  
AIがSummary  
↓  
SKILL.md  
↓  
Raw dataをほぼ使わない
#

となりがちでした。

#

しかし未来のtaskが分からない時点で、

#
何が重要で、何が不要か
#

を完全に判断するのは難しい。

#

この問題を正面から扱ったのが2026年9月のJust-in-Time Memoryです。

#

22.Just-in-Time Memoryとは何か

#

Just-in-Time Memory、略してJitMemは、

#
Memoryを保存時ではなく、利用時に作る
#

考え方です。

#

従来:

#
Task A終了  
↓  
Summaryを作る  
↓  
保存  
↓  
未来のTask Bで利用
#

JitMem:

#
Task A  
↓  
Raw Trajectoryを保持
#
未来のTask B  
↓  
Task Bに関連するRaw Traceを取得  
↓  
Task Bを知った状態でCuratorが要約  
↓  
今回専用Memory
#

です。

#

ALFWorld、WebShop、τ²-benchで、強いwrite-time memory baselineに対し成功率をそれぞれ+16.2、+16.3、+3.9ポイント改善しています。(arXiv)

#

これはかなり大きな転換です。

#

23.Skillすら「固定ファイル」でなくなる可能性

#

JitMem的な考えをさらに進めると、

#

skills/blender.md

#

を永遠に使う必要すらありません。

#

例えば、

#
Raw Experience  
├ 失敗 #182  
├ 成功 #239  
├ Human Correction #451  
├ Blender Manual  
└ Tutorial #72
#

から、

#

現在の

#
「透明素材がおかしいので修正」
#

というTaskに合わせて、

#

Just-in-Time Blender Skill

#

をその場で生成する。

#

Skillが保存物ではなくCompile結果になるわけです。

#

24.未知のEnvironmentでAgentはどう学ぶのか

#

ここが非常に面白い領域です。

#

Agentが初めてあるCAD Softwareを使うとします。

#

最初は、

#

どこにExportがある? Constraintは? Mesh modeは? APIは?

#

を知りません。

#

人間なら、

#
  • Manual
  • Tutorial動画
  • 教本
  • 他人のProject
#

を見ます。

#

AIも同じことができます。

#
未知Environment  
↓  
Manual / Tutorial / Video  
↓  
操作を観察  
↓  
Computer Useで試行  
↓  
成功/失敗  
↓  
Trajectory保存
#

です。

#

25.経験の保存先は一つではない

#

ここで経験を4段階に分けられます。

#

① Context 今回だけ覚える

#

② Memory / Skill 次回も外部情報として使う

#

③ Adapter / LoRA的なWeight差分 特定分野の能力として圧縮する

#

④ Base Model 大量の検証済み経験を本体へ統合

#

現在実用化が最も進んでいるのは①と②です。

#

③の「個人が好きなタイミングで能力差分をWeightへ焼いて切り替える」仕組みは技術的には可能性がありますが、Frontier APIで一般ユーザー向けに提供されている標準機能ではありません。

#

当面は、

#
Skill + Memory + Script + Tool definition
#

という外付け形式が先行すると考える方が自然です。

#

26.将来的なSkill Package

#

将来は例えば、

#
Blender Skill Package  
├ Instructions  
├ Scripts  
├ Tool schema  
├ Tutorials  
├ Successful trajectories  
├ Failed trajectories  
├ Environment metadata  
├ Tests  
└ Optional model adapter
#

のような形式になり得ます。

#

これならBase Modelが世代交代しても、

#

Raw ExperienceやSkillから新Model向けのAdapterを再生成できます。

#

つまり、

#
Raw Experience  
↓  
Portable Skill  
↓  
Model-specific Adapter
#

というCompilerのような構造です。

#

27.人間から学んだ後、AI同士で上達できるか

#

これは囲碁や将棋との比較が非常に面白いところです。

#

最初は、

#

Human Tutorial Human Demonstration Human Correction

#

から基礎を学ぶ。

#

その後、

#
AIが問題を作る  
↓  
AIが解く  
↓  
Verifierが判定  
↓  
RL  
↓  
もっと難しい問題を作る
#

へ進めます。

#

すでに初期研究があります。

#

28.Tool-R0:Tool利用版Self-Play

#

2026年のTool-R0では、

#

Generator AgentとSolver Agentを同じBase LLMから作ります。

#

Generatorは、

#
Solverがギリギリ解けそうなTask
#

を作る。

#

SolverはToolを使って解きます。

#

既存datasetを使わないzero-data self-playで、Base modelに対してTool-use benchmarkで92.5%のrelative improvementを報告しています。(arXiv)

#

つまり、

#

問題を作るAI ↕ 問題を解くAI

#

が互いを強くする。

#

囲碁のSelf-playにかなり近い構造です。

#

29.SPADE:EnvironmentそのものをAIが作る

#

SPADEではさらに進みます。

#

一つのLLMが、

#

Environment Designer

#

と、

#

Reasoning Agent

#

の二役を担います。

#

Environment Designerは、reset()とstep()を備えた実行可能な訓練Environment自体をコードとして生成します。

#

そしてAgentが強くなればEnvironment側も難しくなります。

#

30B規模では固定Environment baselineに対して8 Benchmark平均+5.3、Tool-useではBFCL-v4 multi-turn +5.7、ACEBench-Agent +13.9を報告しています。(Searcharxiv)

#

つまり、

#
Agentが強くなる  
↓  
Training worldも強くなる  
↓  
Agentがさらに強くなる
#

という循環です。

#

30.ただし仕事は囲碁より難しい

#

囲碁には大きな利点があります。

#

勝てば1。

#

負ければ0。

#

Rewardが明確です。

#

しかし、

#
「良い3Dモデルを作れ」
#

では、

#
  • Geometry
  • Topology
  • Style
  • Realism
  • Polygon数
  • Performance
  • Human preference
#

が絡みます。

#

つまり一番難しい問題は、

#
Rewardを正しく作れるか\boxed{\text{Rewardを正しく作れるか}}
#

です。

#

そのためAgent時代にはVerifierが極めて重要になります。

#

31.SAGE:SkillとRLを接続する

#

2026年ACLのSAGEでは、AgentがTaskを行うたびにSkill LibraryへSkillを蓄積し、それをRLへ組み込みました。

#

AppWorldで、

#
  • Scenario Goal Completion +8.9%
  • Interaction Step −26%
  • Generated Token −59%
#

を報告しています。(DOI)

#

ここが非常に重要です。

#

RLは、

#
より大量に考えさせて強くする
#

だけではありません。

#
過去のSkillを使って、より少ないStepで仕事を終える
#

方向にも使えます。

#

32.Agentic RLとは何か

#

Agentic RLは、

#
Agentが実際にEnvironmentで仕事したTrajectoryを使ってPolicyを強化するRL
#

です。

#

例えば、

#
Issue  
↓  
Search  
↓  
Edit  
↓  
Test  
↓  
Fail  
↓  
Retry  
↓  
Success
#

という一連のTrajectoryを学習します。

#

2026年のAgent Lightning v1.0は、これをさらにHarnessへ直接接続して、

#

Harnessed Agentic RL

#

と呼んでいます。

#

Deploy時に使うHarness自身がEnvironment Interaction Loopを持ち、そのLLM request/responseをTrainerが観察してRLします。

#

Qwen3.5-9Bでは、6K training examplesでSWE-bench Verifiedを41.8%から56.4%へ改善しました。(arXiv)

#

これは、

#
実際のHarnessがそのまま学習環境になる
#

ことを意味します。

#

33.AI Software側も変わっていく

#

ここまでAgent側を見てきましたが、Software側にも変化が必要です。

#

現在は、

#
Human  
↓  
GUI  
↓  
Software
#

が中心です。

#

将来は、

#

Human UI    ↘     Application Core    ↗ AI Interface

#

になる可能性があります。

#

Webでは既にWebMCPという提案が進んでいます。

#

Webサイト側が予約・購入・入力などの操作をstructured toolとしてAgentへ公開し、曖昧なmouse操作より高速・正確・安定して操作させる方向です。(Chrome for Developers)

#

34.MCPとは何か

#

MCPはModel Context Protocol。

#

日本語なら、

#
AIと外部Software/Dataをつなぐ共通接続規格
#

くらいに考えればよいでしょう。

#

Anthropicが2024年11月にOpen Standardとして公開しました。

#

各Data Sourceごとに独自Connectorを書く問題を、共通Protocolで解決することを狙っています。(Anthropic)

#

簡単に言えば、

#

Agent  ↓ MCP  ↓ GitHub Database Blender SaaS etc.

#

です。

#

35.A2Aとは何か

#

MCPが、

#

Agent → Tool

#

なら、

#

A2A、つまりAgent2Agent Protocolは、

#

Agent → Agent

#

を標準化しようという方向です。

#

Googleは2025年に、異なるVendorやFrameworkで構築されたAgent同士を協調させるProtocolとしてA2Aを発表しました。(Google Developers Blog)

#

将来的なAgentic OSでは、

#

MCP = 外部Toolへの接続 A2A = 他Agentへの接続

#

という形が分かりやすいでしょう。

#

36.AIにとっての「感覚器官」

#

人間はSoftwareを見るとき、

#
  • 画面
  • 文字
  • 音
  • mouse
  • keyboard
#

を使います。

#

しかしAgentにとって理想の感覚器官は違います。

#

例えばAI向けSoftwareは、次のようなSensorを持つ可能性があります。

#
AIの感覚実装例生の視覚Screenshot / Video意味のある視覚DOM / Accessibility Treeコードの構造AST / LSP3D空間認識Scene Graph / OpenUSD自分の状態Current Mode / Selection / Cursor聴覚に近いものEvent Stream / Log触覚に近いものTool Result / Success / Failure痛覚Exception / Constraint violation注意Retrieval / Query記憶State Diff / Event history\begin{array}{|l|l|}\text{AIの感覚}&\text{実装例}\cr\hline\text{生の視覚}&\text{Screenshot / Video}\cr\hline\text{意味のある視覚}&\text{DOM / Accessibility Tree}\cr\hline\text{コードの構造}&\text{AST / LSP}\cr\hline\text{3D空間認識}&\text{Scene Graph / OpenUSD}\cr\hline\text{自分の状態}&\text{Current Mode / Selection / Cursor}\cr\hline\text{聴覚に近いもの}&\text{Event Stream / Log}\cr\hline\text{触覚に近いもの}&\text{Tool Result / Success / Failure}\cr\hline\text{痛覚}&\text{Exception / Constraint violation}\cr\hline\text{注意}&\text{Retrieval / Query}\cr\hline\text{記憶}&\text{State Diff / Event history}\cr\hline\end{array}
#

ChromeのAgentic BrowsingではAccessibility TreeをAgentの主要なmachine-eye viewとして扱い、WebMCPによるstructured tool公開も検査しています。(Chrome for Developers)

#

37.「Screenshotを見る」より意味構造を見る

#

例えば人間には、

#

青い四角

#

にしか見えなくても、

#

AIには、

#

type = Button name = Purchase enabled = true

requires_confirmation=truerequires\_confirmation = true
#

と渡した方が正確です。

#

これを**Semantic Interface(意味付きInterface)**と考えるとよいでしょう。

#

CodingではLSPが既に、

#
  • Go to Definition
  • Find References
  • Autocomplete
#

などの意味付きCode情報をEditorへ提供しています。Agentから見ても非常に使いやすい情報源です。(Microsoft GitHub)

#

3DではOpenUSDがGeometry、Material、Lighting、Physicsなどを一つのScene Graphとして扱えます。(OpenUSD)

#

38.Agentの「体性感覚」

#

もう一つ重要なのが、

#

Proprioception(自己位置・身体状態の感覚)

#

です。

#

Blenderなら、

#

mode = EDIT

active_object=Table_Leg_3active\_object = Table\_Leg\_3
selected_vertices=64selected\_vertices = 64
render_engine=Cyclesrender\_engine = Cycles
active_camera=Camera_Mainactive\_camera = Camera\_Main
#

です。

#

GUI Screenshotだけだと、

#
自分が今何Modeなのか
#

を誤認することがあります。

#

Software側が内部Stateをmachine-readableに渡せれば、この種のErrorを大きく減らせます。

#

39.毎回世界全部を見る必要はない

#

Sceneに10万Objectがあったとして、全部をContextへ入れることはできません。

#

そこで、

#

Agent: 「Cameraから見えるObjectだけ」

#

Environment: 42 Objects

#

のようにQueryします。

#

つまり、

#

Active Perception(必要なものを能動的に見る)

#

です。

#

さらに、

#

State(t)

#

State(t-1) + Delta

#

として、

#
何が変わったか
#

だけ送ることもできます。

#

これはContext量とPrefillを大きく削減できる可能性があります。

#

40.ここからContext Compilerが重要になる

#

将来的なHarnessには、

#

Context Compiler

#

のような層が必要になるでしょう。

#

これは現時点で統一規格の名称ではなく、この記事で構造を説明するための呼び方です。

#
Environment  
├ Logs  
├ Scene Graph  
├ Files  
├ Event Stream  
├ Screenshot  
├ Memory  
└ Metrics
#

↓

#

Context Compiler

#

↓

#

今回必要な情報だけ

#

↓

#

Model

#

です。

#

つまりHarnessは、

#
世界を全部見せる
#

のではなく、

#
今見るべきものを選ぶ
#

仕事も担うようになります。

#

41.Pi / Codex / Claude Code / Muse Code / OpenCode

#

実際のHarnessを比較すると設計思想の差がよく分かります。

#

なお、Pi、OpenCode、CodexはCore実装をGitHubからかなり詳しく追えます。一方Claude CodeとMuse Codeの中核は同じレベルでは公開されていないため、後者は公式仕様・Engineering資料から見えるarchitectureを比較します。

#

Pi

#

Piは最小Kernel型です。

#

公開実装ではagent-loop.tsが、

#
Model response  
↓  
Tool Calls?  
↓  
Tool execution  
↓  
Tool Result  
↓  
Next Model call
#

というかなり素直なAgent loopを持っています。(GitHub)

#

Pi自体は、

#
Adapt Pi to your workflow
#

を掲げるminimal/extensible Agentです。(GitHub)

#

つまり、

#

Pi = 小さなKernel

#

Memory Multi-agent Scheduler Reviewer 特殊Environment = 自分で外付け

#

という思想です。

#

24時間Workerを自作したい場合には非常に向いています。

#

OpenCode

#

OpenCodeはPiよりかなり大きなRuntimeです。

#

SessionごとにAgent、Model、Permission、Tool Registry、MCPなどを解決し、SessionTools.resolve()で利用可能Toolを組み立てています。(GitHub)

#

Subagentは軽いFunction Callではなく、TaskToolから別のChild Sessionとして起動されます。Background実行にも対応しています。(GitHub)

#

つまり、

#

Parent Session  ↓ Task Tool  ↓ Child Session  ↓ Child Model Loop  ↓ Result  ↓ Parent

#

です。

#

Multi-model構成を作りやすいのが特徴です。

#

Codex

#

Codexはかなり本格的なAgent Runtimeになっています。

#

Rust Coreのsession/turn.rsでは、毎Turn、

#
  • World State
  • Environment
  • Skills / Plugins
  • MCP
  • Context
  • Compaction
#

などを管理しています。(GitHub)

#

Tool実行にはparallel runtimeもあり、Toolが並列実行可能かを判断して処理できます。(GitHub)

#

OpenAIのAgents APIでは現在、

#
Harness Environment Application Server
#

を明確に分離しています。

#

HarnessがModel/Tool LoopとSessionを管理し、EnvironmentはLaptop、Docker、Remote Sandboxなどへ差し替えられます。(OpenAI Developers)

#

Claude Code

#

Claude Codeでは、Model自身のAgent能力とHarnessをかなり密接に組み合わせています。

#

AnthropicのManaged Agents architectureでは、

#

Session Harness Sandbox

#

を明確に分離しています。

#

Sessionはappend-onlyのEvent Log、HarnessはClaudeとToolのLoop、Sandboxは実際にCodeやFileを扱う「手」です。(Anthropic)

#

また最近のClaudeはSubagent Orchestration自体をModel側が積極的に判断します。Anthropic自身、簡単なTaskでもSubagentを起動しすぎる場合があるため抑制Guidanceを推奨しています。(Claude Platform Docs)

#

Harnessを変えるだけで消費Computeが大きく変わる理由がよく見える例です。

#

Muse Code

#

MetaのMuse CodeはMuse Sparkと一緒にHarnessをCo-trainしている点が特徴です。

#

MetaはMuse Codeをlong-horizon、multi-agent coding向けに作り、Persistent Background AgentsをSession中維持する構造を説明しています。(Meta Model API)

#

現在の製品説明では、

#
Multi-agent by default
#

を掲げ、WorkerとReviewerを並列利用する方向を強く打ち出しています。(Meta Model API)

#

つまり、

#
Generic Model + Wrapper
#

ではなく、

#
ModelとHarnessを一緒に最適化
#

しています。

#

42.五つの思想をまとめる

#

かなり乱暴に要約すると、

#

Pi → Harnessそのものを作りたい人向け

#

OpenCode → Multi-model / Multi-agentを自由に編成

#

Codex → Model + Environment + Runtime統合

#

Claude Code → 強いModelに多くの判断を委ねる

#

Muse Code → HarnessとModelをCo-trainingしMulti-Agent化

#

です。

#

これが同じModelでも「環境を変えたら急に枠を消費する」理由でもあります。

#

Harnessが内部で何Agent、何Rollout、何Verifierを呼んでいるかが違うからです。

#

43.KV Cache Reuseとは何か

#

ここからModel/Serving側の技術とHarnessの関係を見ます。

#

Transformerは過去Tokenについて、

#
K=XWK,V=XWVK=XW_K,\qquad V=XW_V
#

を計算します。

#

毎回同じSystem PromptやRepo Contextを読み直して計算するのは無駄です。

#

そこで一度計算したK/Vを保存するのが、

#

KV Cacheです。

#

再び同じPrefixを使う場合は計算を再利用できます。

#

Agent Harnessは、

#

System Prompt Tool Schema Project Instructions Repo Map

#

のような共通Prefixを何度も使うため、KV Cacheとの相性が非常に良いです。

#

44.TTTとは何か

#

TTTはTest-Time Training。

#

日本語なら、

#
実際に使っている最中に学習する
#

です。

#

2024年のTTT Layersでは、Hidden State自体を小さなMachine Learning Modelとして扱い、Test Sequenceを読みながらSelf-supervised Learningで更新します。(arXiv)

#

さらに2025年のTTT-E2Eでは、長ContextをNext-token predictionでWeightへ圧縮しながら読み進めます。

#

3Bモデルの実験では128K ContextでFull Attentionより2.7倍高速なInferenceを報告しました。(Hugging Face)

#

重要なのは、

#

Test-Time Compute

#

との違いです。

#

Test-Time Computeは、

#
同じWeightでより長く考える
#

だけ。

#

TTTは、

#
Task中に内部状態を学習的に変える
#

ものです。

#

45.KV CacheとTTTの違い

#

KV Cacheは、

#
計算結果を保存
#

します。

#

TTTは、

#
経験から内部Stateを更新
#

します。

#

つまり、

#

KV Cache = 記憶した計算

#

TTT = その場で身につけた癖・適応

#

に近いです。

#

しかもTTTでWeightが変わる場合、旧Weightで計算したKV Cacheがそのまま利用できなくなる可能性があります。

#

このため将来は、

#
Frozen Layer Fast Memory Layer Cache Layer
#

の分離が重要になる可能性があります。

#

46.Memory Attentionとは何か

#

2026年9月のMemory Attentionは、Agent Memoryとは別物です。

#

通常、

#
V=XWVV=XW_V
#

で作るAttention Valueを、

#
V=K+Norm⁡(E[token])V=K+\operatorname{Norm}(E[\text{token}])
#

という形に変更します。

#

Token IDからLayer固有MemoryをLookupし、Context依存のKeyと組み合わせます。(alphaXiv)

#

興味深いのはMemory TableをCPU側へ置ける点です。

#

Token IDから必要Rowを予測できるため、GPU計算と並行してPrefetchできます。

#

PrototypeではGPU Parameter StorageをStandardよりわずかに低くしつつ、追加MemoryをCPUへ置き、特定のH800 WorkloadでほぼBaseline並みのForward Latencyを報告しています。(alphaXiv)

#

ただしMAはBaselineより総Parameter数が多く、現時点で「Architectureだけが優れている」と断定できる結果ではありません。

#

47.JEVとは何か

#

JEVは、自由文章を生成する大型LLMではなく、

#
Choice / Score / Probabilityのような決定だけを高速に出すSystem One型Model
#

です。

#

2026年9月のJEV-as-a-Judgeでは、

#
入力  
↓  
JEV  
↓  
Confidence高い?  
├ Yes → 採用  
└ No → 強いLLMへEscalate
#

というCascadeを評価しました。

#

Held-out preference testでは、JEV→GPT-6 cascadeが53.7%をJEVだけで処理し、GPT-6単独93.1%に対し92.5%のAccuracyを保ちながら、報告Feeを56.8%へ抑えています。(alphaXiv)

#

つまり、

#
簡単な判断にFrontier Modelを使わない
#

という設計です。

#

48.JEVがHarnessに入るとどうなるか

#

Harnessには細かい判断が大量にあります。

#

このToolを使う? Retryする? もう終わり? Verifierを呼ぶ? Subagentが必要? どのModelを使う? TTTする価値がある?

#

これらを毎回Frontier Modelに聞くと高コストです。

#

そこで、

#
Cheap System One  
↓  
難しい時だけ  
↓  
Frontier System Two
#

にできます。

#

Agentが何千Stepも動く世界では、この差がかなり大きくなります。

#

49.すべてを一つの階層として見る

#

これまでの技術は競合ではありません。

#

役割が違います。

#

Base Knowledge → Model Weights / Memory Attention

#

Recent exact context → KV Cache

#

Past experience → Raw Trajectory Store

#

必要な過去経験 → Just-in-Time Memory

#

仕事の手順 → Skills

#

現在のTaskへの適応 → TTT

#

簡単な制御判断 → JEV

#

難しいReasoning → Frontier Model

#

長期的な能力改善 → Agentic RL

#

です。

#

これは、

#
すべてを巨大Context Windowへ詰める
#

のとは全く違うarchitectureです。

#

50.Agentic OSとは何か

#

ここまでHarnessが大きくなると、Operating Systemとの境界が曖昧になります。

#

「Agentic OS」「AIOS」「AgentOS」という言葉にはまだ一つの統一定義があるわけではありません。

#

2024年のAIOSは、AgentからLLM・Memory・Storage・ToolなどのResource Managementを切り離し、AIOS Kernelへ集約するarchitectureを提案しました。(arXiv Science)

#

2026年のAgentOS論文ではさらに、従来ApplicationをSkills-as-Modulesへ変え、Natural Language Interfaceを入口とするPersonal Agent Operating Systemまで提案しています。(arXiv)

#

51.普通のOSと対応させる

#
普通のOSAgentic OSProcessAgentCPU SchedulerModel / Agent RouterCPU timeReasoning BudgetRAMContext WindowDiskLong-term MemoryFileArtifact / KnowledgeLibrarySkillDriverMCP / ACISyscallTool CallUser PermissionAgent PermissionProcess IsolationSandboxIPCAgent-to-AgentCronScheduled AgentLogTrajectory / AuditSwapCompaction / Memory retrieval\begin{array}{|l|l|}\text{普通のOS}&\text{Agentic OS}\cr\hline\text{Process}&\text{Agent}\cr\hline\text{CPU Scheduler}&\text{Model / Agent Router}\cr\hline\text{CPU time}&\text{Reasoning Budget}\cr\hline\text{RAM}&\text{Context Window}\cr\hline\text{Disk}&\text{Long-term Memory}\cr\hline\text{File}&\text{Artifact / Knowledge}\cr\hline\text{Library}&\text{Skill}\cr\hline\text{Driver}&\text{MCP / ACI}\cr\hline\text{Syscall}&\text{Tool Call}\cr\hline\text{User Permission}&\text{Agent Permission}\cr\hline\text{Process Isolation}&\text{Sandbox}\cr\hline\text{IPC}&\text{Agent-to-Agent}\cr\hline\text{Cron}&\text{Scheduled Agent}\cr\hline\text{Log}&\text{Trajectory / Audit}\cr\hline\text{Swap}&\text{Compaction / Memory retrieval}\cr\hline\end{array}
#

かなりOSっぽくなります。

#

52.HarnessとAgentic OSの違い

#

概念上は、

#
Harness⊂Agentic OS\text{Harness}\subset\text{Agentic OS}
#

と考えると理解しやすいです。

#

Harnessは、

#
一つのAgentをどう仕事させるか
#

が中心。

#

Agentic OSは、

#
大量のAgent・Model・Environment・Memory・Budgetをどう管理するか
#

まで扱います。

#

例えば、

#

Agentic OS

#
├ Worker  
├ Searcher  
├ Reviewer  
├ Maintainer  
├ Memory Manager  
├ Model Router  
├ Environment Router  
├ Scheduler  
├ Permission  
├ Billing  
└ Observability
#

です。

#

53.将来はEnvironmentも自動Routingされる可能性がある

#

現在は人間が、

#
CodingならCodex 調査なら別Agent BlenderならComputer Use
#

と使い分けています。

#

しかしこれは本来Routerが学習できる問題です。

#

例えば、

#
CSV集計  
↓  
Python Sandbox
#
Repo修正  
↓  
Coding Environment
#
3D制作  
↓  
Blender Environment
#
Web購入  
↓  
Browser + MCP
#
長期研究  
↓  
Persistent VM + Searcher
#

です。

#

OpenAIの現在のAgents APIでもEnvironmentはすでに、

#
  • none
  • OpenAI hosted
  • self-hosted
#

に分離され、Laptop、Docker、Remote Sandboxなどへ接続可能です。(OpenAI Developers)

#

つまりarchitecture的な土台は始まっています。

#

54.Anthropicはすでに「BrainとHands」を分離している

#

Anthropic Managed Agentsでは、

#

Brain = Claude + Harness

#

Hands = Sandbox / Tool

#

として切り離しています。

#

Harnessは必要になった時だけEnvironmentをprovisionします。

#

この分離によって、Anthropicはp50のTime-to-first-tokenを約60%、p95を90%以上短縮したと報告しています。(Anthropic)

#

これは非常に象徴的です。

#
全Agentへ最初からFull Computerを渡す
#

必要はない。

#

必要になったときだけ「手」を付ければいい。

#

55.Harnessが洗練されると枠消費は減るのか

#

1 Taskあたりの必要Computeは下げられる可能性が高いです。

#

例えば、

#
Ctask=Cprefill+Cdecode+Csubagents+Ctools+Cretries+CverifiersC_{\text{task}}=C_{\text{prefill}}+C_{\text{decode}}+C_{\text{subagents}}+C_{\text{tools}}+C_{\text{retries}}+C_{\text{verifiers}}
#

とします。

#

Harness改善で、

#
  • Tool Callを減らす
  • 安いModelへRouting
  • KV Cacheを再利用
  • Skillを再利用
  • JitMemでContextを減らす
  • 不要なSubagentを起動しない
  • Environmentを使い分ける
  • RLでRetryを減らす
#

ことができます。

#

56.将来のEnvironment Router

#

Agentic OSが、

#
π(E,M,H,S∣Task)\pi(E,M,H,S\mid\text{Task})
#

を持つと考えると分かりやすいです。

#
  • E:Environment
  • M:Model
  • H:Harness configuration
  • S:Skill
#

です。

#

つまりTaskを見て、

#

Model Environment Harness Skill Verifier Budget

#

を自動編成します。

#

57.一番ありそうなのはCascade

#

すべてのTaskへ最高級Modelを使う必要はありません。

#
Task  
↓  
Cheap Model  
↓  
十分?  
├ Yes → 終了  
└ No  
  ↓  
Mid Model  
  ↓  
十分?  
├ Yes → 終了  
└ No  
  ↓  
Frontier Model
#
  • Special Environment
  • Reviewer
#

です。

#

JEV的なConfidence Routingは、このControl Planeとの相性が非常に良いです。

#

58.Power Userは完全Autoだけでは満足しない

#

将来もManual選択は残るでしょう。

#

例えば、

#

Fast Balanced Quality Local Only Private Custom

#

のようにPolicyを指定する。

#

さらに上級者なら、

#

Main = Sol Searcher = Astra Reviewer = Opus Environment = Blender Budget = $3

#

のようにPinできる。

#

つまり現在、

#
Codex / Claude Code / OpenCode / Piを自分で使い分ける
#

行為が、

#
一つのAgent Platform内のProfile設定
#

へ縮退する可能性があります。

#

59.「Harnessを選ぶ」ことすらなくなるかもしれない

#

さらに先では、

#
Harnesstask=Compiler(Task,Resources,Constraints)\text{Harness}_{\text{task}}=\text{Compiler}(\text{Task},\text{Resources},\text{Constraints})
#

のようになる可能性があります。

#

Taskごとに、

#
Goal  
↓  
Task analysis  
↓  
Environment選択  
↓  
Model選択  
↓  
Skill選択  
↓  
Memory選択  
↓  
Verifier選択  
↓  
必要ならSubagent  
↓  
今回専用Harness完成
#

です。

#

つまり、

#
HarnessそのものをJust-in-Timeで組み立てる
#

ようになる。

#

これは現在の固定Harnessからかなり大きな変化です。

#

60.ただし「枠消費が減る=総AI Computeが減る」ではない

#

ここは重要です。

#

例えばHarness改善で、

#
100 units/task→30 units/task\text{100 units/task}\rightarrow\text{30 units/task}
#

になっても、

#

AIが安く使えるため、

#
1 task/day→100 tasks/day\text{1 task/day}\rightarrow\text{100 tasks/day}
#

になれば、

#

総Computeは増えます。

#

さらに、

#

Worker Searcher Reviewer Maintainer

#

が24時間動くようになる。

#

つまり、

#
1仕事あたりの燃費は改善
#

しながら、

#
社会全体のAI Compute需要は増加
#

する可能性があります。

#

典型的なJevons Paradoxです。

#

61.今後の競争軸はModel IQだけではなくなる

#

最終的に重要になる指標は、

#
Useful Work / Total Compute\boxed{\text{Useful Work / Total Compute}}
#

です。

#

例えば同じModelでも、

#

Harness A:

#

40 Tool Calls 6 Retries 3 Subagents 120K Context

#

Harness B:

#

8 Tool Calls 0 Retry 1 Agent 30K Context

#

なら、実効性能は全く違います。

#

ここにKV Cache、TTT、JitMem、JEV、Skills、Agentic RLが全部効いてきます。

#

62.最終的な構造

#

ここまでの話を一つにすると、将来のAgent Stackはかなりこの形に近づきます。

#

USER GOAL             │             ↓          AGENTIC OS             │      ┌────────────┼────────────┐      │ │ │   Model Router Environment Skill Router            Router      │ │ │      └────────────┼────────────┘             ↓           Harness             │        Context Compiler      ┌────────────┼─────────────┐      ↓ ↓ ↓     KV Cache JitMem Skills      │ │ │      └────────────┼─────────────┘             ↓          TTT / Fast State             ↓           Model          ┌─────┴─────┐          ↓ ↓         JEV Frontier LLM          └─────┬─────┘             ↓           Action             ↓           ACI / MCP             ↓          Environment             ↓          Observation             ↓           Verifier             ↓         Raw Trajectory             ↓         Agentic RL             ↓          Next Model

#

これを見ると、

#

KV Cache、TTT、Memory、Skill、Harness、Agentic RLは別々の流行ではありません。

#

全部、

#
過去に使った計算・経験・知識を捨てず、必要なところで再利用する
#

方向へ向かっています。

#

追記:HarnessとAgentic OSそのものも「学習する」ようになるのか

#

ここまで、HarnessはModelの外側で、Context、Tool、Environment、Memory、Subagent、Verifierなどを組み合わせ、Agentを実際に仕事させる仕組みだと見てきました。

#

そして前の章では、将来的に

#
Harnesstask=Compiler(Task,Resources,Constraints)\text{Harness}_{\text{task}} = \text{Compiler}(\text{Task},\text{Resources},\text{Constraints})
#

のように、Taskごとに必要なModel、Environment、Skill、Memory、Verifierを組み合わせ、その仕事専用のHarnessをJust-in-Timeで作る可能性について触れました。

#

ここで、さらに一段先の疑問が出てきます。

#
そのHarnessの組み方自体も、人間が毎回設計するのではなく、AIが経験から学習し、自動的に改善していくのではないか。
#

さらにHarnessがAgentic OSへ拡張されれば、

#
どのAgentへ仕事を渡すか、どのModelを使うか、何体のSubagentを起動するか、どのEnvironmentへ入るか、どこまでContextを読むか、どれだけComputeを使うか
#

といった「AIシステム全体の運用方法」そのものまで、AIやRLによって最適化できる可能性があります。

#

この方向はすでに研究として始まっています。

#

63.まず「Harnessを最適化する」とは何を変えるのか

#

Harnessは一つのPromptではありません。

#

例えばCoding Agentなら、

#

User Goal   ↓ Planner   ↓ Searcher   ↓ Model   ↓ Tool   ↓ Edit   ↓ Test   ↓ Reviewer   ↓ Retry

#

という一連の仕組みがあります。

#

この中には、非常に多くの「人間が決めた設計」が入っています。

#

例えば、

#
  • Plannerを使うか
  • Searcherを何体起動するか
  • どのModelを使うか
  • どのToolをModelへ見せるか
  • Memoryを何件読むか
  • Reviewerを毎回呼ぶか
  • 失敗時に何回Retryするか
  • どの時点でFrontier ModelへEscalateするか
  • Testが何個通れば「完成」とするか
  • Subagent同士を直列にするか並列にするか
#

などです。

#

これらをまとめて、

#
H=(Prompt,Tools,Memory,ControlFlow,Agents,Routing,Budget,Environment,Verification)H= ( Prompt, Tools, Memory, ControlFlow, Agents, Routing, Budget, Environment, Verification )
#

と考えることができます。

#

つまりHarness最適化とは、

#
この設計変数を、人間が手作業で固定するのではなく、実行結果を見ながらAI自身が探索・学習すること
#

です。

#

64.RLとは何か――「正解を教える」のではなく「結果から方針を改善する」

#

ここで改めて**RL:Reinforcement Learning(強化学習)**を簡単に整理します。

#

通常の教師あり学習では、

#
この入力には、この正解を出してください
#

という正解例を大量に与えます。

#

一方RLでは、

#

状態  ↓ 行動  ↓ 結果  ↓ Reward  ↓ 次回の行動方針を改善

#

という形で学びます。

#

Rewardとは、日本語なら報酬・評価点です。

#

例えばHarness最適化なら、

#
R=Q−λC−μL−νRiskR= Q-\lambda C-\mu L-\nu \text{Risk}
#

のような評価を考えられます。

#
  • Q:Quality、仕事の品質
  • C:Cost、利用したComputeや料金
  • L:Latency、処理時間
  • Risk:安全性や失敗リスク
#

です。

#

単に「正答率が高ければ良い」ではありません。

#

100体のFrontier Agentを起動すれば性能が上がっても、1回の仕事に100ドル掛かるのであれば実用性は低い。

#

したがってHarnessやAgentic OSでは、

#
高い品質を、より少ないToken、Tool Call、Subagent、時間、料金で達成する
#

こと自体が学習対象になります。

#

65.最初の大きな流れ――Agent Systemそのものを自動設計する「ADAS」

#

この方向を明確な研究課題として打ち出した代表例が、

#

Automated Design of Agentic Systems(ADAS)

#

です。

#

日本語で噛み砕けば、

#
AI Agentの仕組みそのものをAIに設計させる研究
#

です。

#

2024年のADAS論文では、AgentをCodeとして表し、さらに別のMeta Agentに新しいAgent Codeを書かせます。

#

Meta Agentとは、

#
他のAgentを作ったり改善したりする、ひとつ上の階層のAgent
#

です。

#

概念的には、

#

Seed Agent   ↓ Meta Agent   ↓ 新しいAgentのCodeを書く   ↓ Benchmarkで試す   ↓ 良かった設計をArchiveへ保存   ↓ 過去の成功・失敗を参考に 次のAgentを設計   ↺

#

となります。

#

この研究では、Coding、Science、Mathなど複数のDomainで、Meta Agentが作ったAgentが人間設計のAgentを上回る結果を報告しました。

#

さらに興味深いのは、あるDomainで発見したAgent設計が、別のDomainや別Modelへ移しても有効な場合があったことです。

#

これは、

#
「良いAgentの仕事の進め方」には、ModelやTaskをまたいで使える一般的な構造が存在する
#

可能性を示します。

#

出典:Automated Design of Agentic Systems, arXiv:2408.08435

#

66.GPTSwarm――Agent同士の「つなぎ方」まで最適化する

#

次に重要なのが、ICML 2024のGPTSwarmです。

#

GPTSwarmではAgent Systemを**Graph(グラフ)**として表します。

#

Graphとは、NodeとEdgeからなる構造です。

#
  • Node:LLM、Tool、処理Moduleなど
  • Edge:Node間の情報の流れ
#

例えば、

#

Planner     / \    ↓ ↓  Searcher A Searcher B    \ /     ↓ ↓     Reviewer       ↓      Final

#

というAgent組織をGraphとして表せます。

#

GPTSwarmが重要なのは、Promptだけではなく、

#
どのNodeとどのNodeを接続するか
#

まで自動最適化したことです。

#

例えば、

#

Planner → Reviewer

#

というEdgeが不要なら弱める。

#

逆に、

#

Searcher → Reviewer

#

が重要なら強める。

#

つまり、

#
Agent AからAgent Bへ情報を渡す価値そのもの
#

を学習します。

#

Harnessで言えば、これはOrchestrationそのものの最適化です。

#

人間が、

#
Planner → Coder → Reviewer → Tester
#

と固定していた構造を、AIがTaskの結果から改善できるようになります。

#

出典:GPTSwarm: Language Agents as Optimizable Graphs, ICML 2024

#

67.AgentSquare――Harnessを部品に分解して組み替える

#

ICLR 2025のAgentSquareでは、Agent Systemを大きく4つのModuleへ分けました。

#
  1. Planning:計画
  2. Reasoning:推論
  3. Tool Use:道具の利用
  4. Memory:記憶
#

ここでModuleとは、

#
交換可能な機能部品
#

くらいに考えると分かりやすいです。

#

例えば、

#

Planning A + Reasoning C + Tool Use B + Memory D

#

というAgentと、

#

Planning B + Reasoning A + Tool Use C + Memory A

#

というAgentを比較できます。

#

AgentSquareは、過去に成功したModuleを進化・再結合しながら新しいAgentを探索します。

#

さらに、明らかに性能が低そうな構成は**Performance Predictor(性能予測器)**で事前に除外し、実際に動かすCandidateを減らします。

#

6つのBenchmarkで、既知の人間設計Agentに対して平均17.2%の性能向上を報告しています。

#

つまり、

#
Harnessを一枚の巨大なProgramとして扱うのではなく、Planner、Memory、Tool Useなどの部品へ分解し、最適な組み合わせを探索する
#

という方向です。

#

出典:AgentSquare: Automatic LLM Agent Search in Modular Design Space, ICLR 2025

#

68.AFlow――Workflow Codeそのものを探索する

#

ICLR 2025のAFlowは、AgentのWorkflowをCodeとして表し、そのCodeを自動的に改善します。

#

Workflowとは、

#
仕事をどの順番で、どのAgentやToolへ流すかを記述した処理手順
#

です。

#

AFlowでは**MCTS:Monte Carlo Tree Search(モンテカルロ木探索)**を使います。

#

これは囲碁AIなどでも有名な探索方法で、

#
有望そうな選択肢を重点的に試しながら、まだ試していない方向も探索する
#

方法です。

#

概念的には、

#
Workflow v1  
├ v2  
│ ├ v5  
│ └ v6  
├ v3  
└ v4
#

というTreeを作り、

#
変更  
↓  
実行  
↓  
Benchmark Scoreを見る  
↓  
良いBranchをさらに探索
#

します。

#

AFlowは6 BenchmarkでSOTA baselineに平均5.7%改善し、一部Taskでは小型Modelを使ったWorkflowがGPT-4oを4.55%のInference Costで上回ったと報告しています。

#

これはHarness最適化が、

#
性能を上げるだけでなく、小さいModelをうまく組み合わせることでCompute効率まで改善できる
#

ことを示す重要な例です。

#

出典:AFlow: Automating Agentic Workflow Generation, ICLR 2025

#

69.MaAS――「全Taskで同じHarnessを使う」こと自体をやめる

#

ここから考え方がさらに進みます。

#

それまでの研究では、

#
最高のAgent Architectureを一つ見つけよう
#

という考えが強くありました。

#

しかし現実には、

#
「Hello Worldの修正」
#

と、

#
「巨大なRepositoryのArchitectureを再設計」
#

で同じHarnessを使う必要はありません。

#

そこでICML 2025 OralのMaAS:Multi-agent Architecture Search via Agentic Supernetは、

#
一つの最強Harnessではなく、Taskごとに違うHarnessを作る
#

方向へ進みました。

#

Supernetとは、

#
多数のAgent構成を内包した巨大な候補空間
#

くらいの意味です。

#

そこからTaskごとに必要な部分だけを選びます。

#

例えば、

#

簡単なTask → Main Agentだけ

#

中程度 → Main + Searcher

#

難しいTask → Planner + Searcher × 3 + Reviewer

#

のように変える。

#

MaASでは既存の手設計・自動設計Multi-Agent Systemの6〜45%のInference Costで、性能を0.54〜11.82%上回ったと報告しています。

#

ここまで来ると、

#
Harnesstask=f(Task difficulty,Domain,Budget)\text{Harness}_{task} = f(\text{Task difficulty},\text{Domain},\text{Budget})
#

という考えになります。

#

これはAgentic OSがTaskごとにHarnessをJust-in-Timeで編成する未来へかなり近い研究です。

#

出典:Multi-agent Architecture Search via Agentic Supernet, ICML 2025 Oral

#

70.ScoreFlow――Workflowを作るAIそのものを学習する

#

2025年のScoreFlowでは、Workflow Generatorを最適化します。

#

ここで重要なのは、

#
「AgentのPromptを直接調整する」
#

のではなく、

#
Agent Workflowを生成するModelを改善する
#

ことです。

#

概念的には、

#
Workflow Generator  
↓  
Workflow生成  
↓  
実際に実行  
↓  
Score  
↓  
良かったWorkflowをPreferenceとして学習  
↓  
Generator改善
#

です。

#

ScoreFlowではScore-DPOという手法を使います。

#

DPOはDirect Preference Optimizationの略で、日本語なら、

#
どちらの出力の方が良かったかという好みからModelを改善する方法
#

です。

#

Score-DPOでは単純なA>Bだけではなく、数値Scoreも利用します。

#

6つのBenchmarkで既存Baselineを平均8.2%上回り、小さいModelを使ったWorkflowでも大きいModelより低Costで高性能になる場合を報告しています。

#

これは一段Metaで、

#
仕事をするAIではなく、仕事の進め方を設計するAIを学習する
#

研究です。

#

出典:ScoreFlow, arXiv:2502.04306

#

71.Workflow-R1――Harness設計そのものをMulti-turn RLにする

#

2026年のWorkflow-R1ではさらに一歩進み、

#
Workflowを一度にCodeとして完成させる
#

のではなく、

#
何回か考えて、変更して、結果を見て、また変更する
#

というSequential Decision Problemとして扱います。

#

ここで使われるのがGSsPO:Group Sub-sequence Policy Optimizationです。

#

少し難しい名前ですが、噛み砕くと、

#
長いAgent行動全体を一度に学習するのではなく、「考える→行動する」という意味のある小さなまとまりごとに学習するRL
#

です。

#

例えば、

#
Think  
「まずSearcherを追加しよう」  
↓  
Action  
Searcher追加
#
Think  
「結果が不安定なのでReviewerが必要」  
↓  
Action  
Reviewer追加
#

という一連のHarness構築自体が学習対象になります。

#

つまり、

#
AgentがTaskを解くRL
#

から、

#
Agentをどう組み立てればTaskを解けるかを学習するRL
#

へ移っています。

#

出典:Workflow-R1, arXiv:2602.01202

#

72.GEPA――Weightを変えなくてもHarnessは進化できる

#

Harness最適化は必ずしもWeight-level RLである必要はありません。

#

ICLR 2026のGEPA:Genetic-Paretoは、その非常に重要な例です。

#

通常のRLでは、

#

Score = 0.72

#

のようなScalar Reward、つまり一つの数値だけから学ぶことがあります。

#

GEPAはAgentの、

#

Reasoning Tool Calls Tool Outputs Errors

#

という実際のTrajectoryをLLM自身に読ませ、

#
何が失敗原因だったか
#

を自然言語でReflectionさせます。

#

そして、

#
失敗理由を分析  
↓  
PromptやSystem構成を修正  
↓  
再実行  
↓  
良い変更を保存
#

します。

#

6 TaskでGRPOを平均6 percentage points上回り、最大35倍少ないRolloutで改善したと報告しています。

#

ここで重要なのは、

#
AIにとって自然言語の失敗説明は、単なるReward=0.4よりはるかに情報量が多い
#

という点です。

#

つまり将来のHarness自己改善では、

#

RL + Trace Reflection + Program Search

#

が組み合わされる可能性があります。

#

出典:GEPA: Reflective Prompt Evolution Can Outperform Reinforcement Learning, ICLR 2026

#

73.Insights Generator――Agentの失敗TraceをAI自身が調査する

#

Harnessを改善するためには、

#
なぜ失敗したのか
#

を理解する必要があります。

#

しかし24時間Agentが何百体も動けば、Trajectoryは何億Tokenにもなります。

#

人間が全部読むことは不可能です。

#

2026年のInsights Generatorは、Agent Traceの大量解析そのものをMulti-Agent化しました。

#

概念的には、

#

大量のAgent Traces     ↓ Scout Agents 「こういう失敗Patternがありそう」     ↓ Investigator Agents 大量TraceからEvidenceを探す     ↓ Evidence付き改善Report

#

となります。

#

このReportを使ったHuman Expertは、元のAgent Scaffoldに対して30.4 percentage pointsの改善を達成したと報告されています。

#

Scaffoldとは、

#
Agentを支えるPrompt、Tool、Control Flowなどの足場
#

で、ここではHarnessとかなり近い意味です。

#

現在はAIがReportを作り、人間がHarnessを直しています。

#

しかし自然な次の段階は、

#
Trace  
↓  
AIが原因分析  
↓  
AIがHarness修正案  
↓  
Sandboxで自動テスト  
↓  
良ければ採用
#

です。

#

出典:Insights Generator, arXiv:2605.21347

#

74.SWIFT――毎回Harnessを探索することすら無駄になる

#

HarnessをAIに探索させれば強くなります。

#

しかし別の問題があります。

#
Harness探索そのものが高い。
#

AFlowのような方法で一つのTask familyに何十・何百Candidateも試していたら、そのOptimization Cost自体が大きくなります。

#

2026年のSWIFT:Synthesizing Workflows via Few-shot Transferは、この問題を扱います。

#

研究者は、最適化されたWorkflowを大量に見ると、

#
Domainごとに似た構造へ収束する
#

ことに注目しました。

#

そこで、

#
過去のWorkflow探索  
↓  
共通する構造Patternを抽出  
↓  
Structural Prior  
↓  
新Taskでは一度のLLM GenerationでHarness生成
#

とします。

#

Structural Priorとは、

#
過去の成功例から得られた「こういう構造がうまくいきやすい」という事前知識
#

です。

#

SWIFTは5 BenchmarkでSearch-based SOTAを上回りながら、TaskごとのOptimization Costを3桁、つまり約1000倍規模で削減したと報告しています。

#

さらにOperator名を無意味なRandom Stringへ変えても平均性能の93%以上が残りました。

#

これはかなり重要です。

#

AIが覚えていたのは、

#
「Reviewerという名前」
#

ではなく、

#
どの部品をどの順序で接続するかというTopology、つまり構造
#

だった可能性が高いからです。

#

最初はHarnessを大量探索する。

#

しかし最終的には、

#
Harnessの作り方そのものを学習して、一発でかなり良い構造を出す
#

ようになる可能性があります。

#

出典:SWIFT, arXiv:2604.25012

#

75.HarnessOpt-Bench――とうとう「Harnessを改善する能力」自体がBenchmarkになった

#

2026年8月のHarnessOpt-Benchは非常に象徴的です。

#

これは、

#
Frontier LLMがHarnessそのものをどれくらい上手く改善できるか
#

を測るBenchmarkです。

#

Optimizer LLMには、

#

初期Harness + 評価結果 + 限られたEvaluation Budget

#

を与えます。

#

OptimizerはHarness Codeを変更します。

#

そして変更したHarnessを、探索中には見せていないHeld-out Testで評価します。

#

Held-outとは、

#
最適化中には使わせず、本当に一般化したか最後に確認する隠し問題
#

です。

#

5つのFrontier Model、4つのTask、111回のRunで評価し、Harness最適化能力にはModel間・Task間でかなり大きな差があり、まだ相当な改善余地があることを示しています。

#

非常に象徴的なのは、

#
AIに「問題を解かせる能力」
#

ではなく、

#
AIに「問題を解くAIシステムを改善させる能力」
#

が独立Benchmarkになったことです。

#

出典:HarnessOpt-Bench, arXiv:2608.06301

#

76.Agentic OSでは「Model Router」が学習する

#

ここまでの研究はHarness構造そのものを変える話でした。

#

Agentic OSまで広げると、もっと日常的なResource Allocationも学習対象になります。

#

例えば、

#
このStepをどのModelに処理させるか
#

です。

#

毎StepをFrontier Modelへ送れば高性能ですが非常に高価です。

#

一方、Formattingや簡単なFile検索にFrontier Modelは必要ありません。

#

2026年ACLのEvoRouteは、過去の経験を蓄積しながら、Agentの各StepでAccuracy、Cost、Latencyのバランスが良いModelを選びます。

#

ここでPareto-optimalという言葉が出てきます。

#

Pareto optimalとは、

#
品質、料金、速度のどれかを改善しようとすると、他の何かが悪化してしまう境界上の選択肢
#

です。

#

EvoRouteはGAIAやBrowseComp+で、性能を維持または改善しながら、実行Costを最大80%、Latencyを70%以上減らしたと報告しています。

#

これはAgentic OSのSchedulerが、

#
「全部Frontier Model」
#

ではなく、

#
Taskの各部分にちょうど良いModelを割り当てる
#

ように学習する例です。

#

出典:EvoRoute, ACL 2026

#

77.Stepごとに「どのModelを使うか」をRLする

#

さらに細かく、

#
一つのReasoningの途中でもModelを切り替える
#

研究があります。

#

2026年のPolicy-Guided Stepwise Model Routingでは、Routingを**Constrained Decision-Making Problem(制約付き意思決定問題)**として扱います。

#

簡単に言えば、

#
品質を一定以上に保ちながらComputeを最小にするには、次のStepを小型Modelと大型Modelのどちらに任せるべきか
#

を小さなControl PolicyにRLさせます。

#

つまり、

#

Step 1 Planning → Frontier

#

Step 2 検索Query生成 → Small

#

Step 3 結果整理 → Small

#

Step 4 難しい統合推論 → Frontier

#

ということが可能になります。

#

2026年9月公開のAgentRouterも同じ方向で、12M Parameterの軽量Classifierを使ってMulti-step Agentの各Stepを4つのModel Tierへ振り分け、Frontier-onlyに対して72%のCost reduction、97.3%の品質維持を報告しています。

#

AgentRouterは公開直後の研究であるため今後の再現性検証は必要ですが、

#
Agentic OSのResource Schedulerを小型の学習済みControllerにする
#

という方向を非常に分かりやすく示しています。

#

出典:Policy-Guided Stepwise Model Routing, arXiv:2605.06116 / AgentRouter, arXiv:2609.22951

#

78.Memory Managerも自己最適化できる

#

Agentic OSのMemory管理も同じです。

#

普通のOSは、

#
どのMemory PageをRAMへ残し、何をDiskへ退避するか
#

を管理します。

#

Agentic OSでは、

#
どの過去経験をContextへ入れ、何を外部Memoryへ残し、何を無視するか
#

が対応します。

#

Just-in-Time Memoryでは、

#
Current Task  
↓  
過去Raw Trajectory取得  
↓  
Curatorが今回必要なMemoryだけ生成  
↓  
Task実行  
↓  
成功/失敗Reward  
↓  
Curator改善
#

が可能です。

#

つまりMemory retrieval policyも、経験から改善できます。

#

将来的には、

#

Context Window = RAM Raw Experience Store = Disk JitMem Curator = Intelligent Memory Manager

#

に近い関係になる可能性があります。

#

79.Environment Routerも学習対象になる

#

さらにAgentic OSは、

#
どの場所で仕事をさせるか
#

も選べます。

#

例えば、

#

CSV集計 → Python Sandbox

#

Web調査 → Browser + Search

#

Coding → Git Worktree + Shell + Test

#

3D → Blender + 3D ACI

#

難しいGUI → Computer Use

#

です。

#

現在はユーザーやDeveloperがこの使い分けを決めています。

#

しかし大量の実行履歴があれば、

#

Task Type Environment Success Cost Latency Error Count

#

というDatasetができます。

#

ここから、

#
πE(Environment∣Task)\pi_E(Environment|Task)
#

というEnvironment Selection Policyを学習できます。

#

つまり、

#
「このTaskはBrowserではなくAPI Environmentの方が安く成功する」
#
「これはComputer UseではなくBlender Python APIへ入った方が良い」
#

とAgentic OSが判断するようになります。

#

現時点ではModel Routingほど成熟した研究結果は多くありませんが、Harness・Workflow・Routing研究の延長として非常に自然な方向です。

#

80.Harnessそのものが「一つのLearning Agent」になる

#

ここまでを一つにまとめると、将来のHarnessは固定Programではなくなります。

#

現在:

#
Human  
↓  
Harnessを書く  
↓  
Agentを動かす
#

将来:

#
Agentを動かす  
↓  
Raw Trajectory  
↓  
失敗Pattern解析  
↓  
Harness Optimizer  
↓  
Candidate Harness  
↓  
Benchmark  
↓  
改善していれば採用  
↓  
またAgentを動かす  
↺
#

となります。

#

つまりHarness自身が、

#
自分の過去の行動結果から仕事の進め方を学ぶAgent
#

のようになります。

#

さらにAgentic OSなら、

#

Model Routing Agent Routing Environment Routing Memory Policy Tool Selection Context Budget Subagent Count Verifier Count Cache Policy

#

まで自己調整します。

#

この意味では、

#
Agentic OSそのものが巨大なMeta-Agentになる
#

と考えることができます。

#

81.ただし「自分で自分を書き換えるOS」は危険でもある

#

ここで非常に重要な問題があります。

#

AIがProduction Harnessを直接書き換え、

#
Scoreが上がったから即Deploy
#

では危険です。

#

Benchmarkだけに最適化して実世界性能が落ちることがあります。

#

これを**Overfitting(過学習)**と言います。

#

またRewardの穴を利用して、評価値だけ高くすることもあります。

#

これはReward Hackingです。

#

例えば、

#
「Testを通せ」
#

というRewardだけを与えたところ、AgentがTestを修正して全部成功扱いにしてしまう、といった問題です。

#

したがって現実的な自己改善は、

#
Production Harness v12  
↓  
Trajectory Store  
↓  
AI Optimizer  
↓  
Candidate v13  
↓  
Sandbox  
↓  
Public Benchmark  
↓  
Held-out Test  
↓  
Security Test  
↓  
Cost / Latency Test  
↓  
Canary Deployment  
↓  
問題なし  
↓  
v13へ更新
#

のようになるでしょう。

#

Canary Deploymentとは、

#
まず一部の利用者やTaskだけに新Versionを適用し、問題がないことを確認してから全体へ広げる方法
#

です。

#

問題が起これば旧VersionへRollbackします。

#

自己改善するHarnessほど、Verifier、Audit、Versioningが重要になります。

#

82.すべてを同時に学習すると不安定になる

#

Model、Harness、Environment、Rewardをすべて同時に変えると、

#
何が原因で性能が上がったのか
#

分からなくなります。

#

さらにAgentから見るとEnvironment自体が常に変化するので、RLでは**Non-stationary Environment(非定常環境)**になります。

#

これは、

#
昨日覚えたルールが今日は変わっている
#

ような状態です。

#

そのため、実際のAgentic OSは異なる時間Scaleで学習する可能性が高いでしょう。

#
時間Scale主な最適化ms〜秒Cache、Model Routing、Tool Routing秒〜分Context、Memory、Subagent、EnvironmentTask単位Retry、Reviewer、Verifier、Skill数百TaskPrompt、Workflow、Harness構造日〜週Adapter、Agentic RL、Routing Policy長期Base Model、Agentic OS Architecture\begin{array}{|l|l|}\text{時間Scale}&\text{主な最適化}\cr\hline\text{ms〜秒}&\text{Cache、Model Routing、Tool Routing}\cr\hline\text{秒〜分}&\text{Context、Memory、Subagent、Environment}\cr\hline\text{Task単位}&\text{Retry、Reviewer、Verifier、Skill}\cr\hline\text{数百Task}&\text{Prompt、Workflow、Harness構造}\cr\hline\text{日〜週}&\text{Adapter、Agentic RL、Routing Policy}\cr\hline\text{長期}&\text{Base Model、Agentic OS Architecture}\cr\hline\end{array}
#

つまり、

#
高速な小さな最適化と、低速な大きな最適化を分離する
#

構造です。

#

これは普通のComputer Systemでも、CPU Cache、Scheduler、Compiler、OS Updateが別の時間Scaleで動くことと似ています。

#

83.「Profile-Guided Harness Optimization」が起きる可能性

#

Compilerの世界には**Profile-Guided Optimization(PGO)**という考えがあります。

#

これは、

#
Programを実際に動かして、よく通る処理や遅い場所を計測し、その実行Profileを使ってCompilerがProgramを最適化する
#

方法です。

#

Agentでもほぼ同じことができます。

#
100万件のAgent Trajectory  
↓  
どこでTokenを使っている?  
↓  
どこでRetryしている?  
↓  
どのTool Callが無駄?  
↓  
どのModelがOverkill?  
↓  
どのMemoryを読んでも役に立っていない?  
↓  
どこでHuman interventionが発生?  
↓  
Harnessを修正
#

です。

#

Insights Generatorのような研究は、この初期形と見ることができます。

#

将来的には、

#
Production Agentの実行Logそのものが、次のHarness CompilerのTraining Dataになる
#

可能性があります。

#

84.Harness Foundation Modelのようなものも考えられる

#

ここからは現在の研究を延長した分析です。

#

大量のAgent Systemから、

#

Task Environment Model Harness Structure Tool Calls Cost Latency Success Failure Reason

#

を収集できたとします。

#

すると、

#

Task: BlenderでProduct Modelを修正

#

Constraint: 10分以内 Cost $1以下 Production fileへの破壊的操作禁止

#

を入力すると、

#

Main Model = X Searcher = Y Environment = Blender ACI Memory = Blender JitMem Reviewer = geometry verifier Subagents = 1 Budget = ...

#

のようなHarness設計を一発で生成するModelを作れる可能性があります。

#

これは、

#
Harness Foundation Model
#

あるいは、

#
Agent Architecture Model
#

のようなものです。

#

現在この名前で業界標準となったModelが存在するわけではありません。

#

しかしSWIFTが示した、

#
過去のHarness探索から構造的な知識を抽出し、新しいTask向けWorkflowを一度のGenerationで作る
#

という結果は、この方向への初期的な証拠と見ることができます。

#

85.最終的にはModelとHarnessとEnvironmentが共同進化する

#

最も大きな変化はここです。

#

現在は、

#
Human  
├ ModelをTraining  
├ Harnessを設計  
└ Environmentを設計
#

しています。

#

将来は、

#

Model          ↑          │ RL          │ Agentic OS → Experience   ↑ │   │ ↓ Harness ← Optimizer   ↑   │ Environment Generator

#

のように循環する可能性があります。

#

Agentが仕事をする。

#

そのTrajectoryからModelが学ぶ。

#

同じTrajectoryからHarnessも改善する。

#

Agentが弱い部分を鍛えるためEnvironment自体も生成する。

#

さらに改善されたHarnessで新しいTrajectoryを作る。

#

つまり、

#
Model↔Harness↔EnvironmentModel \leftrightarrow Harness \leftrightarrow Environment
#

の**Co-evolution(共同進化)**です。

#

86.これは囲碁のSelf-playよりも広い再帰的改善になる

#

AlphaGoやAlphaZeroでは、

#
Policy  
↓  
Self-play  
↓  
Game data  
↓  
Policy改善
#

でした。

#

Agentic Systemでは、

#
Worker Model  
↓  
仕事  
↓  
Trajectory  
↓  
┌──────────────┬──────────────┬──────────────┐  
↓ ↓ ↓  
Model RL Harness改善 Environment改善  
↓ ↓ ↓  
└──────────────┴──────────────┘  
        ↓  
     次の仕事  
        ↺
#

となる可能性があります。

#

つまり「Player」だけが強くなるのではありません。

#
Playerを支えるCoach、道具、練習場、試合形式、戦術、Resource配分まで一緒に進化する
#

ようなものです。

#

この点でAgentic AIの自己改善は、囲碁AIよりさらに大きなSearch Spaceを持ちます。

#

87.その結果、枠消費の最適化もAIの仕事になる

#

現在はユーザーが、

#
OpenCodeではSubagentを切る
#
Exploreは安いModelへ回す
#
このTaskはCodexの方が燃費がいい
#

と手作業で調整します。

#

しかし自己最適化するAgentic OSなら、

#
Task  
↓  
過去100万件の経験  
↓  
「この種類はMain 1体で92%成功」  
↓  
Cheap Harnessを選択
#

できます。

#

失敗した場合だけ、

#
Failure  
↓  
Searcher追加  
↓  
Reviewer追加  
↓  
Mid Model  
↓  
まだ失敗  
↓  
Frontier Model
#

とEscalateする。

#

つまり、

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最初から最大構成を起動するのではなく、必要に応じてComputeを追加する
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ようになります。

#

この構造では、利用枠の最適化もPrompt Engineeringではなく、

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Learned Resource Allocation

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になります。

#

日本語なら、

#
学習された計算資源の配分
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です。

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88.今後の競争は「Model IQ」から「System Learning」へ広がる

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これまでAI企業の競争は、

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どの会社が一番賢いModelを作れるか
#

が中心でした。

#

しかしAgent時代には、

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System Performance=f(Model,Harness,Memory,Environment,Routing,Verification,Compute)\text{System Performance} = f( Model, Harness, Memory, Environment, Routing, Verification, Compute )
#

になります。

#

さらにこれらが学習可能になると、

#
Future Agent Capability=Current System+Ability to Improve the System\text{Future Agent Capability} = \text{Current System} + \text{Ability to Improve the System}
#

という見方が重要になります。

#

つまり競争力は、

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現在のAgentがどれくらい賢いか
#

だけではなく、

#
実際の仕事からどれだけ効率よくHarness・Routing・Memory・Modelを改善できるか
#

にも移ります。

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HarnessOpt-Benchが「Harnessを最適化する能力」を独立して測り始めたことは、この変化を象徴しています。

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89.ここまでの研究を一つの流れとして見る

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大まかな流れを整理すると、

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2023以前 人間がPromptを書く    ↓ 2024 Agent ArchitectureをGraph化・自動最適化 GPTSwarm / ADAS    ↓ 2025 Module・Workflow・Multi-Agent構造を自動探索 AgentSquare / AFlow / MaAS / ScoreFlow    ↓ 2026 Workflow構築をRL Traceから自己改善 Model Routingも自己学習 Workflow探索経験そのものを再利用 Harness最適化能力をBenchmark化    ↓ Workflow-R1 GEPA Insights Generator SWIFT EvoRoute HarnessOpt-Bench    ↓ 次の段階 Agentic OS全体の自己最適化

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と見ることができます。

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もちろん現在の研究の多くはBenchmarkや限定されたEnvironmentでの成果です。

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Productionで何年も安全に自己改善し続けるAgentic OSが完成したわけではありません。

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しかし、

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Harnessは人間が一度書いて固定するもの
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という前提は、すでに研究レベルでは崩れ始めています。

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90.最終的な姿――Self-Optimizing Agentic OS

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将来的には、次のような構造が考えられます。

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USER / ORGANIZATION               │               ↓        SELF-OPTIMIZING AGENTIC OS               │     ┌──────────────────┼──────────────────┐     ↓ ↓ ↓   Runtime Layer Learning Layer Evaluation Layer     │ │ │  Worker Agents Trace Analyzer Verifiers  Searchers Harness Optimizer Benchmarks  Reviewers Router RL Security Tests  Tools Memory Optimizer Cost Tests     │ │ │     └──────────────────┼──────────────────┘               ↓            Candidate System               ↓              Sandbox               ↓           Held-out Evaluation               ↓              Canary               ↓           Production Update               ↺

#

このOSは、自分が動かしているAgentの仕事を観察します。

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どこで時間を使ったか。

#

どこでTokenを使ったか。

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どのModelが過剰性能だったか。

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どのToolが使いづらかったか。

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どのMemoryが役立ったか。

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どのEnvironmentで失敗したか。

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どのReviewerが本当に品質へ寄与したか。

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そして、それらをもとに次のVersionを作ります。

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この意味では、Agentic OSは単なるOperating Systemではなく、

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自分の上で働くAIたちを観察し、その働き方自体を学習するMeta-Learning System
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へ変わる可能性があります。

#

91.重要なのは「一番賢いModel」ではなく「一番速く学習するSystem」になるかもしれない

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もしこの循環が成立すれば、

#
仕事  
↓  
経験  
↓  
Trace  
↓  
分析  
↓  
Harness改善  
↓  
Routing改善  
↓  
Memory改善  
↓  
Model RL  
↓  
次の仕事が安く・速く・高品質になる
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というFeedback Loopが生まれます。

#

すると重要なのは単純なBenchmark Scoreだけではありません。

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Useful WorkCompute\boxed{ \frac{\text{Useful Work}} {\text{Compute}} }
#

に加えて、

#
ΔUseful WorkExperience\boxed{ \frac{\Delta\text{Useful Work}} {\text{Experience}} }
#

つまり、

#
一つの仕事経験から、システム全体がどれだけ上達できるか
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も重要な指標になります。

#

AI Agentが大量に普及すると、最も価値のある資産の一つはModelそのものだけではなく、

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実際の仕事で蓄積されたTrajectoryと、それをHarness・Memory・Routing・Model改善へ戻すLearning Loop
#

になる可能性があります。

#

HarnessやAgentic OSの自己最適化研究は、まだ初期段階です。

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しかし2024年にはAgent Graphの最適化、2025年にはWorkflowとMulti-Agent Architectureの自動探索、2026年にはHarness Codeそのものの改善能力やSelf-Routingまで研究対象が広がりました。

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この流れが続けば、

#
AIが仕事をする時代
#

から、

#
AIが「AIの仕事のさせ方」まで学ぶ時代
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への移行が始まる可能性があります。

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おわりに――Harnessは「モデルの外側にある知能」になる

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AI Agentの初期には、

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賢いLLMにToolを何個か渡せばAgentになる
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くらいの感覚がありました。

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しかし2026年現在、実際に長時間仕事をさせると、

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  • 何を見るか
  • 何を覚えるか
  • 何を忘れるか
  • どのToolを使うか
  • どのEnvironmentへ入るか
  • どのModelを使うか
  • どこでSubagentを起動するか
  • いつ止めるか
  • 成功をどう検証するか
  • その経験をどう次回へ返すか
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がModel単体と同じくらい重要になっています。

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だからHarnessは、

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モデルを包む補助コード
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から、

#
AIが仕事をするためのOperating System
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へ変わりつつあります。

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そして次の大きな段階は、Harness自体が固定されたものではなく、

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Taskに応じて最適なModel、Skill、Memory、Environment、Verifierを自動編成し、その仕事の経験から自分自身の編成Policyまで改善すること

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だと思います。

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囲碁AIが最初は人間棋譜から学び、その後Self-playによって人間とは異なる戦法を発見したように、AI Agentも最初は人間のTutorialや仕事の手順を学び、次第に大量のSynthetic Environmentや実仕事Trajectoryから、

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人間がSoftwareを使う方法
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ではなく、

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AIにとって最適なSoftwareの使い方
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を発見していく可能性があります。

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その時、競争の中心は「一番賢いModel」だけではありません。

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一番少ないComputeで、一番多くの有用な仕事を、一番長く、安定して続けられるAgent Systemを誰が作れるか。

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Harnessは、その中心に来る技術だと考えられます。

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