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第2部3章 戦争が磨いた結晶――レーダーと高純度半導体

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第3章 戦争が磨いた結晶――レーダーと高純度半導体

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1920年代、鉱石検波器は家庭用ラジオの中心から退きつつあった。

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鉱石と金属針の接点は、電波を整流して音声を取り出せる。しかし感度のよい接触点を探す必要があり、振動や温度で特性も変わる。規格化された真空管のほうが扱いやすく、しかも増幅までできたからである。

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ところが第二次世界大戦が近づくと、いったん旧式と見なされた結晶検波器が、最先端の軍事技術の中へ呼び戻された。

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理由は、レーダーが扱うマイクロ波が、当時の一般的な真空管ダイオードには速すぎたことにある。極めて高い周波数の信号を検出するため、技術者たちは再びシリコンやゲルマニウムの小さな結晶へ向き合った。戦時中には数百万個規模の結晶整流器が連合国側のレーダー受信機向けに作られ、その経験が高純度材料と半導体製造技術を大きく前進させた。(CHM)

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真空管が電子を真空中で操った時代に、戦争は再び問いを投げかけた。

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結晶の中を流れる電子を、偶然ではなく、材料の純度と不純物によって制御できないか。
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1.レーダーとは、電波で距離を測る装置である

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レーダーは、対象物へ電波を送り、その反射波が戻るまでの時間と方向を測る装置である。

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送信機が短い電波のパルスを放射すると、その一部が航空機や船、地形へ当たって反射する。受信機は、戻ってきた非常に弱い電波を検出する。

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送信アンテナ
      ↓
電波のパルス
      ↓
航空機・船舶
      ↓
反射波
      ↓
受信アンテナ
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電波は、ほぼ光と同じ速度 (c) で進む。送信から受信までにかかった時間を

Δt{\Delta t}
とすると、対象までの距離 (R) は、

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R=cΔt2{R=\frac{c\Delta t}{2}}
#

で求められる。

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2で割るのは、電波が対象まで進んだ距離と、そこから戻ってきた距離を合わせた往復時間を測っているためである。

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送信地点 ─────→ 対象
送信地点 ←───── 対象

測った時間 = 往復時間
知りたい距離 = 片道
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アンテナをどの方向へ向けたときに反射が強くなるかを調べれば、対象の方向も分かる。つまりレーダーは、人間の目に代わり、夜間や雲の向こうにある物体を電波で探知する技術だった。(Restec)

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2.なぜ短い波長が必要だったのか

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初期のレーダーは、比較的長い波長の電波を使っていた。

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長い波長でも航空機の存在は検出できるが、電波を細い方向へ集中させるには大きなアンテナが必要になる。反対に波長を短くすると、同じ大きさのアンテナでも、より細いビームを作りやすい。

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長い波長
  ↓
電波が広く拡散しやすい
  ↓
方向を細かく区別しにくい


短い波長
  ↓
細いビームを作りやすい
  ↓
位置を詳しく測りやすい
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波長をセンチメートル級まで短くできれば、航空機へ搭載できる比較的小型のアンテナでも、航空機、船舶、海岸線などを高い精度で識別できる。

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しかし、波長を短くすることは、周波数を高くすることでもある。

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f=cλ{f=\frac{c}{\lambda}}
#

波長 (λ) が短くなるほど、周波数 (f) は高くなる。

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センチメートル波のレーダーには、強いマイクロ波を作る送信機と、その微弱な反射を検出できる受信機の両方が必要だった。

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2.5 電磁波の発見からレーダーへ――反射を距離へ変えた技術

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短い波長の電波をレーダーへ利用するまでには、まず電磁波そのものの存在を確かめ、発生させ、受信し、反射を測定する技術が必要だった。レーダーは第二次世界大戦中に突然現れた単一の発明ではない。電磁気学、無線通信、高周波発振、アンテナ、真空管、時間計測、表示装置が、数十年をかけて一つのシステムへ合流したものである。

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マイクロ波は、電磁波の一部である

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1860年代、ジェームズ・クラーク・マクスウェルは、変化する電界が磁界を生み、変化する磁界が電界を生むことで、波が空間を伝わると理論的に予測した。その伝播速度が光速と一致したことから、光も電磁波の一種であることが示された。1880年代にはハインリヒ・ヘルツが、火花放電を使って電磁波を発生・検出し、反射、屈折、干渉といった光に似た性質を持つことを実験で確かめた。(OpenStax)

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マイクロ波は、この電磁波のうち波長が比較的短く、周波数が高い領域を指す。したがって「マイクロ波」という別種の波が後から発見されたのではない。電磁波をより短い波長で発生・制御する技術が、段階的に開発されたのである。

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1894~1896年には、インドのジャガディッシュ・チャンドラ・ボースが、最大約60GHz、波長約5ミリメートルに及ぶ電磁波を使った実験を行った。ボースは小型の火花送信機だけでなく、ホーンアンテナ、導波路、誘電体レンズ、偏光器、回折格子なども試作し、短い電磁波が反射や屈折、偏光を示すことを調べた。これらは、後のマイクロ波工学で使われる基本部品と発想を先取りしていた。(ETHW)

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マクスウェル
電磁波を理論的に予測
        ↓
ヘルツ
電磁波を発生・検出し、反射を確認
        ↓
ボースら
センチメートル波・ミリメートル波を実験
        ↓
レーダー
反射波から位置と距離を測定
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電波の反射を、探知へ利用する

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金属物体が電波を反射することが分かると、その反射を使って、目に見えない対象物の存在を知る構想が生まれた。

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1904年、ドイツのクリスティアン・ヒュルスマイヤーは、船舶へ電波を送り、戻ってきた反射によって霧の中の船を検出する装置を公開した。この装置は衝突防止を目的とし、対象の存在や方向を知らせることはできたが、現在のパルスレーダーのように往復時間から距離を精密に測る完成したシステムではなかった。

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1930年代に航空機の速度と航続距離が伸びると、各国は敵機を目視できる距離へ接近する前に発見する必要に迫られた。レーダー研究はイギリスだけでなく、米国、ドイツ、フランス、ソ連、日本などで並行して進められた。つまりレーダーは一人の発明者による装置ではなく、複数の国で独立に発達した技術体系である。(ETHW)

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イギリスでは1935年、ロバート・ワトソン=ワットとアーノルド・ウィルキンスが、航空機から反射された電波を地上で検出する実験に成功した。その後、南部と東部の海岸にはチェーン・ホームと呼ばれる早期警戒網が整備され、第二次世界大戦開戦時には実用運用へ入っていた。(memorials.iwm.org.uk)

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チェーン・ホームは比較的長い波長を使用し、巨大なアンテナ鉄塔を必要とした。それでも、遠方の航空機編隊を早期に発見し、その情報を指令所へ送り、戦闘機を必要な場所へ誘導することができた。

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レーダー局
   ↓
接近する航空機を検出
   ↓
情報を指令所へ集約
   ↓
進路・高度・規模を推定
   ↓
戦闘機を迎撃位置へ誘導
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重要なのは、レーダーが送受信機だけでは完成しないことである。通信網、観測員、表示装置、情報整理、迎撃機への指令まで結び付いて、初めて防空システムとして機能した。(Imperial War Museums)

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パルスレーダーは、反射波の遅れを測る

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パルスレーダーでは、送信機から短時間だけ強い電波を放射する。電波は航空機や船舶へ当たると、その一部が反射し、非常に弱い信号となって受信アンテナへ戻ってくる。

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パルスを送信
     ↓
対象物まで伝播
     ↓
表面で一部が反射
     ↓
受信機へ戻る
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送信した時刻と反射波が戻った時刻との差を測れば、対象までの距離を求められる。アンテナがどちらを向いているかを測れば方角も分かり、反射波の強さからは対象の大きさや反射しやすさに関する情報も得られる。気象レーダーも同じ原理で、電波の往復時間から雨や雪までの距離を、反射の強さから降水の強度を推定する。(Japan Meteorological Agency)

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レーダー装置の内部では、送信と受信が次のように連携する。

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タイミング回路
      ↓
パルス変調器
      ↓
高周波送信機
      ↓
アンテナ
      ↓
対象物
      ↓
反射波
      ↓
受信機
      ↓
周波数変換・増幅・検波
      ↓
ブラウン管などへ表示
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一つのアンテナを送信と受信の両方に使う場合、送信中は強力な電力から受信機を守り、送信終了後すぐに受信側へ切り替える必要がある。レーダーは強いパルスを出した直後、遠方から戻る微弱な反射へ耳を澄ます装置なのである。

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マグネトロンは、磁界で電子を曲げる真空管だった

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短い波長のレーダーには、高い周波数で大きな電力を発生できる送信管が必要だった。その候補の一つとなったのがマグネトロンである。

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マグネトロンという名称は、1921年に米国ゼネラル・エレクトリックのアルバート・ハルが研究した磁界制御真空管に由来する。通常の三極管がグリッド電圧で電子流を制御するのに対し、ハルの管は磁界によって、カソードからアノードへ進む電子の軌道を曲げた。(ETHW)

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通常の真空管
カソード ──電子がほぼ直進──→ アノード

マグネトロン
カソード ──磁界で軌道が曲がる──→ アノード周辺を回る
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1920年代から1930年代には、分割した陽極を使う方式や、内部に共振構造を持たせる方式が各国で研究された。ドイツ、オランダ、フランス、ソ連、日本、米国などの研究者が独立に改良を進め、岡部金治郎らも日本で短波長発振の研究に取り組んだ。しかし初期のマグネトロンは出力、効率、周波数安定性に課題があり、航空機搭載レーダーに必要な高出力マイクロ波源には達していなかった。(ETHW)

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電子の回転と共振器が、直流をマイクロ波へ変える

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マグネトロンでは、中心に加熱されたカソードを置き、その周囲をアノードが囲む。カソードとアノードの間には外向きの電界があり、装置の軸方向には磁界が加えられる。

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電界だけなら電子は外側のアノードへ直進する。しかし磁界が加わると、移動する電子はローレンツ力を受け、カソードの周囲を曲がりながら進む。

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中央カソード
   ↓ 電子を放出

半径方向の電界
   +
軸方向の磁界
   ↓
電子が湾曲・回転する
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アノードの周囲へ共振空洞を設けると、各空洞は特定のマイクロ波周波数で電界と磁界を振動させる。最初のわずかな電気的揺らぎによって空洞の振動が始まり、その高周波電界が回転する電子を速めたり遅らせたりする。

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すると電子は均一に広がるのではなく、スポーク状の集団へまとまる。適切な位相で空洞の入口を通る電子は減速され、その運動エネルギーを空洞の電磁振動へ渡す。

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直流電源のエネルギー
        ↓
電子の運動エネルギー
        ↓
共振空洞の電磁振動
        ↓
高出力マイクロ波
#

つまりマグネトロンは、電子を単に回転させる装置ではない。磁界で電子の滞在時間と軌道を制御し、電子の集団と共振空洞の振動を同期させることで、直流電源のエネルギーをマイクロ波へ変換する発振器である。

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1930年代末には、地上の大型レーダーだけでなく、航空機へ搭載できる軽量で高出力のマイクロ波発振器が強く求められていた。各国で研究されてきたマグネトロンと共振空洞の技術を受け継ぎ、出力、効率、周波数安定性を大きく引き上げたのが、1940年のランドール、ブートらによる空洞マグネトロンだった。(ETHW)

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この装置によって、短い波長を利用するという構想は、初めて小型で強力な実用レーダーへ結び付いていく。

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3.1940年、空洞マグネトロンが強いマイクロ波を生んだ

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1940年初頭、イギリスのバーミンガム大学でジョン・ランドールとハリー・ブートが開発した空洞マグネトロンは、高出力のセンチメートル波を発生できた。

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通常の三極管では、カソードからプレートへ電子が移動する時間や、電極間の寄生容量が高周波動作の壁になる。空洞マグネトロンでは、磁界で電子の軌道を曲げ、金属内部に設けた複数の共振空洞へエネルギーを与えることで、強力なマイクロ波を発生させた。

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加熱カソード
      ↓ 電子を放出
磁界で電子軌道を曲げる
      ↓
周囲の共振空洞へエネルギーを渡す
      ↓
高出力マイクロ波
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1940年9月、イギリスの科学技術をアメリカへ伝えるティザード使節団が空洞マグネトロンを持ち込み、米国ではMIT放射研究所を中心にセンチメートル波レーダーの開発と量産が急速に進んだ。初期量産型E1189は9.5センチメートル波でパルス出力12キロワットを実現し、戦争終結までに英米加で大量のマグネトロンが製造された。(Imperial War Museums)

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空洞マグネトロンは、レーダーの「目を照らす光源」に相当した。

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だが、強い電波を送り出せるだけでは、レーダーは完成しない。

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4.戻ってくる電波は、送信波よりはるかに弱い

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送信された電波は、空間へ広がる。

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その一部が対象へ当たり、さらにその反射の一部だけが受信アンテナへ戻ってくる。そのため受信信号は極めて弱い。

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送信電力
████████████████

対象へ届く
████

受信機へ戻る
▏
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受信機には、次の能力が必要になる。

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  • 高速に振動するマイクロ波へ反応する
  • 弱い反射信号を雑音から区別する
  • 信号の到着時刻を正確に測る
  • 同じ性能の部品を大量に生産する
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低い周波数では真空管ダイオードが整流や検波に使えた。しかし周波数が高くなると、電子が電極間を移動する有限の時間や、電極と配線が持つわずかな容量が無視できなくなる。

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入力の極性が変わる前に電子が移動し終わらなければ、理想的な整流はできない。

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そこで、真空中を電子が飛ぶ装置ではなく、非常に小さな固体接点で電流の向きを選ぶ結晶整流器が再評価された。半導体整流器は、当時の真空管ダイオードでは対応しにくかったマイクロ波周波数で動作できた。(CHM)

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5.鉱石検波器は、工業部品として生まれ変わった

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レーダー用結晶整流器の基本原理は、鉱石ラジオの検波器と同じだった。

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細い金属針
      ↓
半導体結晶
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金属と半導体の接触部では、電圧の向きによって電流の流れやすさが異なる。この非対称性を使えば、高周波交流を一方向へ整流できる。

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しかし、レーダー用の部品は、机の上で方鉛鉱の感度点を探す鉱石検波器とは異なる。

#
鉱石ラジオ

天然鉱石
+
手で位置を調整する金属針


レーダー用結晶整流器

精製したシリコンまたはゲルマニウム
+
精密な金属接触
+
小型パッケージ
+
規格化された検査
#

小さなシリコンまたはゲルマニウム片を金属ケースへ収め、その表面へ細い金属点を接触させる。接触圧力、結晶面、材料純度、金属の種類、表面処理を管理し、振動の多い航空機や艦船でも使用できるようにする。

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戦時中には、この構造のシリコンおよびゲルマニウム整流器が大量に製造された。代表例の1N21系は、航空機搭載レーダーなどでマイクロ波整流器として用いられた。(CHM)

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6.レーダー受信機では「混ぜる」ことも重要だった

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マイクロ波をそのまま大きく増幅するのは難しい。

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そこで多くの受信機では、受信したマイクロ波と、受信機内部で作った別の高周波を結晶ダイオードへ同時に入れた。

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受信信号 fRF ───┐
                 ├─ 結晶ミキサー
局部発振 fLO ───┘
                       ↓
                中間周波数 fIF
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ダイオードの電流と電圧の関係は、完全な比例ではない。この非線形性によって、二つの周波数を入力すると、元の周波数だけでなく、和と差の成分が生まれる。

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fIF=∣fRF−fLO∣{f_{\mathrm{IF}}=\left|f_{\mathrm{RF}}-f_{\mathrm{LO}}\right|}
#

たとえば非常に高いマイクロ波を、扱いやすい低めの中間周波数へ変換すれば、その後は真空管増幅器で十分に増幅できる。

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マイクロ波の弱い反射
          ↓
結晶ダイオードで周波数変換
          ↓
扱いやすい中間周波数
          ↓
真空管で大きく増幅
          ↓
表示装置へ
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ここでは結晶と真空管が競争しているのではない。

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結晶が高速な入口を担当し、真空管がその後の増幅を担当する。真空と結晶は、一つのレーダー受信機の中で協力していた。

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7.最大の敵は、不純物だった

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初期の鉱石検波器が不安定だった理由の一つは、天然鉱石の内部が均一ではなかったことにある。

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同じ鉱石でも、

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  • 金属不純物
  • 結晶欠陥
  • 表面の酸化
  • 接触位置
  • 微細な割れ
  • 結晶粒界
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によって、電流の流れ方が異なる。

#

ある場所では強く整流し、少し針を動かすとほとんど働かなくなる。

#

レーダー用部品では、同じ型番の整流器を何千個、何万個と作り、ほぼ同じ性能で動かさなければならない。そこで材料の純度を高め、結晶内部の未知の要因を減らす必要があった。

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ベル研究所のラッセル・オールは、シリコンの純度を高めるほどレーダー検波器の性能が向上することを確認していた。戦時中には、大学、化学企業、通信会社がシリコンとゲルマニウムの精製技術を競って開発した。(CHM)

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8.しかし、完全に純粋なだけでは半導体にならない

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ここには、一見すると矛盾がある。

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不純物を取り除かなければならない。 しかし、半導体の性質を作るには不純物が必要である。
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問題なのは、不純物が存在すること自体ではない。

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何が、どれだけ、どこに入っているか分からないことが問題だった。

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高純度の材料を出発点にすれば、意図して加えたごく少量の元素が、電気的性質を支配するようになる。

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低純度材料

未知の不純物A
未知の不純物B
未知の不純物C
結晶欠陥
      ↓
性質を予測できない


高純度材料

ほぼ純粋な結晶
+
既知の不純物を微量添加
      ↓
性質を設計できる
#

この意図的な不純物添加を、後にドーピングと呼ぶ。

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戦時研究によって、半導体技術は「不純物をなくす技術」から、

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高純度の土台へ、必要な不純物だけを制御して入れる技術
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へ変わっていった。

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9.n型――電子を余分に与える不純物

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シリコンやゲルマニウムの原子は、周囲の原子と電子を共有して結晶を作る。

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そこへリンなど、価電子を一つ多く持つ元素を少量加えると、結合に使われなかった電子が比較的動きやすい状態で残る。

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シリコン結晶
      +
リンなどのドナー不純物
      ↓
余分な電子が生まれる
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このように電子を主な電荷担体とする半導体をn型半導体という。

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nはnegativeに由来する。ただし材料全体が強く負に帯電しているわけではない。結晶全体ではほぼ電気的中性だが、電流を運ぶ主役が負の電子になっているという意味である。

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ベル研究所のジャック・スキャッフやヘンリー・シューラーらの研究は、特定の不純物がn型の性質を作る仕組みの理解を進めた。戦時中の材料研究では、リンなどを加えたシリコンやゲルマニウムから、再現性のあるn型材料が作られていった。(CHM)

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10.p型――電子の空席である正孔が動く

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一方、ホウ素など、結合に使える電子が一つ少ない元素を加えると、結晶内に電子の不足した場所ができる。

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この空席を正孔、ホールという。

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電子が空席へ移動する
          ↓
元の場所が新しい空席になる
          ↓
空席が反対方向へ移動したように見える
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電子が次々に空席を埋めることで、正の電荷を持つ粒子が移動しているように扱える。

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正孔を主な電荷担体とする材料がp型半導体である。

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n型:主に電子が電流を運ぶ
p型:主に正孔が電流を運ぶ
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電子と正孔という二種類の電荷担体を理解したことで、半導体は単なる「金属より流れにくい物質」ではなくなった。

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不純物によって、内部の電流の担い手を選べる材料になったのである。

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11.1940年、ラッセル・オールがp-n接合を見つけた

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1940年2月23日、ベル研究所のラッセル・オールは、レーダー検波器用に研究していたシリコン板で奇妙な現象を観察した。

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そのシリコンへ光を当てると、流れる電流が大きく変化した。また、金属針で異なる場所を調べると、結晶の両側で反対方向の電気的性質が現れた。(CHM)

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オールとジャック・スキャッフが調べると、結晶内部には異なる不純物を含む二つの領域が存在していた。

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一方はリンの影響を受けたn型、もう一方はホウ素の影響を受けたp型だった。その境界が、後にp-n接合と呼ばれる構造である。(CHM)

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p型領域     p-n接合      n型領域
正孔が多い  ││││││     電子が多い
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p型とn型を接触させると、境界付近の電子と正孔が互いに移動して再結合する。

#

その結果、境界には自由に動ける電荷担体が少ない空乏層が生じ、内部に電界が形成される。

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p型       空乏層        n型
  ←──── 内部電界 ────→
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外部から加える電圧の向きによって、この障壁は低くなったり高くなったりする。

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順方向電圧
  ↓
障壁が低くなる
  ↓
電流が流れやすい


逆方向電圧
  ↓
障壁が高くなる
  ↓
電流が流れにくい
#

これは、天然鉱石の表面で偶然起こっていた整流を、結晶内部の構造として説明する大きな一歩だった。

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p-n接合は、後の接合ダイオード、接合型トランジスタ、太陽電池、発光ダイオード、集積回路へつながる基本構造となる。(CHM)

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11.5 猫ひげから密封部品へ――点接触整流器が半導体産業の原型になった

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ラッセル・オールによるp-n接合の発見まで、半導体整流器はどのような姿で発達してきたのだろうか。ここで一度、鉱石検波器からレーダー用結晶整流器へ至る、もう一つの技術の流れを振り返っておこう。

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1874年、フェルディナント・ブラウンは、方鉛鉱などの結晶へ金属の先端を接触させると、電流が一方向には流れやすく、反対方向には流れにくくなることを報告した。整流作用が生じたのは、結晶全体ではなく、金属と結晶が触れるごく小さな場所だった。このため、後にこの構造は点接触型、ポイント・コンタクト型と呼ばれるようになる。(CHM)

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無線通信が始まると、この現象は電波を検出するために利用された。1906年、グリーンリーフ・ホイッティア・ピカードは、シリコンを無線受信器の整流材料として使う装置を特許化した。同じ時期には、ヘンリー・ダンウッディーが炭化ケイ素、当時の名称でカーボランダムを使う検波器を開発している。ピカードの特許には、受信した高周波振動を整流し、外部電源を使わずに情報を取り出す構想が示されていた。(Google Patents)

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家庭用の鉱石ラジオで広く使われたのが、猫ひげ検波器、キャッツウィスカー検波器である。細いばね状の金属線が猫のひげに似ていたため、この名が付いた。

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細い金属線――猫ひげ
          ↓
        微小接点
          ↓
方鉛鉱・シリコン・カーボランダムなど
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使用者は金属線を結晶表面で動かし、感度の高い「当たり場所」を探した。そこで高周波交流が一方向へ整流され、AM信号から音声の包絡線を取り出せたのである。したがって、猫ひげ検波器とポイント・コンタクト型整流器は、別々の原理を持つ連続した世代ではない。猫ひげ検波器は、点接触型結晶整流器の初期的で調整可能な形だった。(ETHW)

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しかし天然鉱石は、場所によって不純物、結晶欠陥、酸化、割れ方が異なる。机の上ではよく働いても、振動で針がずれたり、温度や湿度で特性が変わったりした。1920年代以降、家庭用ラジオでは、調整が容易で増幅もできる真空管が主役となり、猫ひげ検波器はいったん旧式の技術になった。

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ところがレーダーがセンチメートル級のマイクロ波を扱うようになると、点接触型結晶整流器が再び必要になった。一般的な真空管ダイオードでは、電極間容量や電子の飛行時間が高周波動作の障害になる。一方、金属線と結晶が触れる面積は極めて小さく、容量も小さいため、急速に変化するマイクロ波を検波したり、局部発振信号と混合したりするのに適していた。戦時中のレーダーでは、点接触ダイオードが受信機の高速な入口を担当し、その後の中間周波数を真空管が増幅した。(CHM)

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この要求が、シリコンとゲルマニウムを主役へ押し上げた。シリコンはすでにピカードの検波器で使われていたが、天然状態や低純度材料では特性が安定しなかった。レーダー用には、微弱な反射波を毎回同じように処理する部品を大量に作らなければならない。そこで米国では、MIT放射研究所の計画の下でペンシルベニア大学やデュポンがシリコン精製を進め、終戦までに99.999%級の材料が得られた。ゲルマニウムについては、カール・ラーク=ホロヴィッツを中心とするパデュー大学の研究が高純度化と電気的性質の理解を進めた。(CHM)

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レーダー用結晶整流器では、猫ひげの基本原理を残しながら、装置の形が大きく変わった。

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天然鉱石をむき出しで置く
        ↓
精製したシリコン・ゲルマニウム片
        ↓
金属線の材質・先端・接触圧を管理
        ↓
小型ケースへ固定・密封
        ↓
マイクロ波特性を一個ずつ検査
        ↓
同じ型番として大量生産
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金属針を使用者が動かす構造から、最適な接触状態を工場で作って固定する構造へ変わったのである。ケースと端子も、単なる保護具ではなかった。接点までの配線を短くして不要な容量やインダクタンスを抑え、航空機や艦船の振動、温度変化、湿気に耐えなければならなかった。ベル研究所では、厳しい電気仕様と戦闘装備の機械的条件を満たす結晶整流器が、大量生産できる製品として設計された。(Nokia Corporation | Nokia)

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その代表が、1N21系などのシリコン・マイクロ波整流器である。外見は小さな金属製カートリッジだったが、内部には微小なシリコン片と一点接触する金属線が収められていた。戦時中には、シリコンやゲルマニウムを使った結晶整流器が数百万個規模で製造された。ここで半導体は、感度のよい鉱石を探す実験材料から、型番、規格、検査基準を持つ交換可能な工業部品へ変わった。(CHM)

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1N21はPN接合が1つの半導体(ダイオード)であり、21番目に登録された規格という意味

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重要なのは、1940年にp-n接合が発見されても、点接触整流器がすぐに消えたわけではないことである。当時は、p型とn型の領域を狙った位置と濃度で作り、大量生産する技術がまだ整っていなかった。そのため戦時中の実用レーダーでは点接触型が中心であり、p-n接合は次世代の接合ダイオードやトランジスタへ向かう基礎として研究された。

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猫ひげ検波器
偶然の感度点を探す
        ↓
レーダー用点接触整流器
感度点を工場で作り固定する
        ↓
p-n接合ダイオード
結晶内部に整流構造を設計する
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点接触整流器が「表面の一点」を工業化した装置だったのに対し、p-n接合は結晶内部そのものへ、電流を制御する境界を作る発想だった。そして、この内部境界が持つ電界を理解することで、オールが観察したもう一つの現象――光を当てると電圧と電流が生まれる理由も説明できるようになっていく。

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12.光が電流を生む理由も、接合によって理解された

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光が半導体へ吸収されると、結晶内の電子がエネルギーを受け取る。

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十分なエネルギーを得た電子は、結合状態から動ける状態へ移り、電子と正孔の組を作る。

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光
 ↓
半導体へエネルギーを与える
 ↓
電子と正孔が生まれる
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p-n接合の内部電界は、この電子と正孔を反対方向へ分離する。

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電子 → n型側
正孔 → p型側
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その結果、接合の両側に電圧が生じ、外部回路へ電流を流せる。

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オールがレーダー用シリコンの研究中に観察した現象は、半導体接合による光起電力効果だった。戦争のために調べていた検波器が、後の太陽電池の原理も明らかにしたのである。(CHM)

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13.シリコンとゲルマニウムが主役になった

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戦時中には多くの結晶材料が試されたが、最終的にシリコンとゲルマニウムが主要な半導体材料として浮上した。

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ゲルマニウムは比較的低い温度で加工しやすく、高純度材料を得る研究が進んだ。パデュー大学ではカール・ラーク=ホロヴィッツを中心にゲルマニウム研究が行われ、その成果は戦後のトランジスタ開発へ直接受け継がれた。

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シリコンは精製や加工が難しかった一方、熱的・化学的な安定性に優れ、後には表面へ安定した酸化膜を形成できるという大きな利点を持つことが分かっていく。

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戦時研究では、MIT放射研究所の計画の下で、ペンシルベニア大学やデュポンがシリコン精製を進め、終戦までに99.999%級のシリコンが得られた。ゲルマニウム研究は主にパデュー大学で進められ、1947年にウォルター・ブラッテンが最初の点接触トランジスタを作る際には、そこで開発された高純度ゲルマニウムが用いられた。(CHM)

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14.高純度とは、ただ「きれい」であることではない

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半導体に必要な純度は、見た目では判断できない。

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金属材料では問題にならないほど微量の不純物でも、半導体では電子や正孔の数を大きく変える。

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たとえば結晶中に一億個の母体原子があって、その中のわずか数個が異なる元素へ置き換わるだけでも、電気伝導が変化することがある。

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高純度化の目的

不純物をゼロへ近づける
          ↓
材料の初期状態をそろえる
          ↓
既知の不純物を微量加える
          ↓
電子・正孔の数を設計する
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したがって高純度化は、半導体を絶縁体に近づけるためだけの技術ではない。

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不純物の効果を、偶然から設計へ変えるための技術
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だった。

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これにより、同じ材料、同じ濃度、同じ接触構造から、似た特性を持つ素子を繰り返し作れるようになる。

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15.戦争は「発見」を「製造工程」へ変えた

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一個だけ動作する実験装置と、戦場へ何万個も送れる部品は別物である。

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レーダー用結晶整流器には、次の工程が必要だった。

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原料の精製
  ↓
結晶の形成
  ↓
不純物濃度の管理
  ↓
小片への切断
  ↓
表面処理
  ↓
金属針との接触
  ↓
ケースへ封止
  ↓
高周波特性の測定
  ↓
振動・温度・湿度試験
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感度の高い一個を偶然見つけるのではない。

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多数の製品を同じ手順で作り、規格を満たさないものを検査で除外する。

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この過程で、

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  • 材料純度
  • 結晶欠陥
  • ドーピング
  • 表面状態
  • 金属接触
  • 封止
  • 高周波測定
  • 歩留まり
  • 信頼性
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が、互いに独立した問題ではなく、一つの製造システムとして扱われるようになった。

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戦時中に数百万個のシリコンおよびゲルマニウム整流器を製造した経験は、高純度材料の製造と、後のトランジスタ量産に必要な工程管理の基礎を築いた。(CHM)

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16.結晶内部だけでなく、表面も電流を支配した

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高純度の結晶を作っても、部品が必ず同じように動くわけではなかった。

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金属針が触れる表面には、

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  • 酸化膜
  • 水分
  • 吸着した気体
  • 傷
  • 汚染物質
  • 電気的に捕らえられた電子
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が存在する。

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半導体の内部を理想的に作っても、表面で電子が捕らえられれば、外部から加えた電界が内部へ届かないことがある。

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外部電極
   ↓ 電界を加える
半導体表面の電荷
   ↓ 電界を遮る
結晶内部へ十分に届かない
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これは、後にショックレーが試みた電界効果型の固体増幅器が思うように動かなかった重要な理由となった。

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ジョン・バーディーンは、半導体表面に存在する電子状態が外部電界を遮蔽しているのではないかと考えた。ウォルター・ブラッテンとともに表面の電位、液体電解質、金属接点を調べる研究へ進み、やがて点接触トランジスタへ到達する。(CHM)

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戦時中の結晶検波器研究は、半導体の性能が材料内部だけでなく、表面と接触界面によっても支配されることを技術者へ教えた。

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17.戦場で磨かれた材料が、電話網へ戻ってきた

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ベル研究所が固体増幅器を求めた本来の目的は、レーダーではなく通信網だった。

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電話網を拡大するには、長距離線の途中へ多数の中継増幅器と交換回路を置かなければならない。真空管は増幅できたが、大きく、熱を出し、ヒーター電力を消費し、寿命にも限界があった。

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1930年代末、ベル研究所では、真空管を置き換える半導体増幅器の可能性が検討されていた。しかし当時の半導体材料は不均一で、理論を試せるほど再現性が高くなかった。

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戦争は、その不足していた材料基盤を変えた。

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電話網の要求
小型・低電力・長寿命の増幅器
          +
レーダーの要求
高周波で動く高純度結晶
          ↓
固体増幅器の研究が現実になる
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戦後、ショックレーはレーダー用検波器の研究で改善された半導体材料を使って固体増幅器を試作した。最初の電界効果方式は失敗したが、バーディーンとブラッテンによる表面状態の研究を経て、1947年12月16日に高純度ゲルマニウムを使った点接触型の固体増幅器が動作した。(CHM)

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ベル研究所がトランジスタを開発した直接の動機は、電話網の真空管を置き換えることだった。しかし、それを可能にした材料、測定、接触、精製の技術には、戦時中のレーダー研究が深く結び付いていた。(Nokia Corporation | Nokia)

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18.戦争がトランジスタを発明したわけではない

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第二次世界大戦がなければ、半導体研究が存在しなかったわけではない。

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ファラデー、ブラウン、ピカード、オールらの研究は戦前から続いていた。量子力学、固体物理、通信網の要求も、半導体増幅器へ向かう独立した流れを作っていた。

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また、戦時中に作られた結晶整流器は増幅器ではない。

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結晶整流器
入力信号の向きを選ぶ
      ↓
検波・周波数変換


トランジスタ
小さな入力で
大きな電流を制御する
      ↓
増幅・スイッチング
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戦争が行ったのは、トランジスタの完成図を与えることではなかった。

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  • 高純度材料を大量に必要とした
  • 不純物の効果を測定させた
  • シリコンとゲルマニウムを比較させた
  • 微小な金属接点を製造させた
  • 高周波で素子を評価する技術を発達させた
  • 同じ部品を大量生産する工程を整えた
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これらの条件を一気にそろえたのである。

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その意味で、戦争はトランジスタの発明者ではない。

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しかし、トランジスタが生まれるための結晶を、かつてない速度で磨き上げた。

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第3章まとめ――偶然の鉱石から、設計された結晶へ

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鉱石検波器は、結晶の一部に偶然存在する整流性を利用していた。

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天然鉱石
  ↓
感度点を探す
  ↓
偶然働く接点
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レーダー用結晶整流器は、その偶然を工業製品へ変えようとした。

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高純度シリコン・ゲルマニウム
  ↓
不純物を管理
  ↓
表面と接触を管理
  ↓
規格化された整流器
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さらにラッセル・オールの発見によって、結晶内部には電子を主役とするn型と、正孔を主役とするp型があり、その境界にp-n接合が生まれることが明らかになった。

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純度
  +
ドーピング
  +
接合
  +
表面制御
  ↓
半導体の性質を設計する
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空洞マグネトロンが強いマイクロ波を送り、半導体結晶が弱い反射を受け取った。

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真空管が送信と増幅を担い、結晶が高速な検波と周波数変換を担った。

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戦争のレーダー研究によって、シリコンとゲルマニウムは、研究室の不思議な物質から、純度、不純物、接触、表面を管理できる工業材料へ変わった。

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そして1947年、その高純度ゲルマニウムの表面に二本の金属接点が置かれる。

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整流するだけだった結晶が、初めて信号を増幅する。

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次章では、バーディーン、ブラッテン、ショックレーが、真空管の三極構造を固体の中へ移し、点接触トランジスタと接合型トランジスタへ到達する過程を追う。

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https://note.com/atom_/n/n8b9e69fb87f8

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